モチベーションが上がっても稼げない理由
ビジネスを成功させるために、モチベーションを上げればいいと思っていたり、モチベーションが上がらないからビジネスが上手くいかない、と思っている人がいます。
しかし、モチベーションを上げることでビジネスが成功するわけではありません。なぜモチベーションが上がっても稼げないのか、また、どうやったらモチベーションに関係なく稼げるのか、ということをお伝えします。
モチベーションは、労働者思考
まず、モチベーションが上がらないから稼げない、というのは、労働者の考え方です。
労働者だったら、すでにやることが決まっています。例えば、この資料を仕上げたら、商品を何個発送したら、というふうに決まっているのです。
なぜ決まっているか、というと、ビジネスの全体を経営者が決めているからです。労働者に仕事が来るときには、仕事がかなり細分化されています。
これは、分業と言います。分業をすることで、労働者は必要な知識とか技術が少なくても良くなり、同じことをしていれば、給料がもらえるのです。
自分がやることも、自分で決めているようでいて、経営の中で決まっています。そのため、モチベーションさえ上がれば、仕事をたくさんこなすことができます。
ビジネスのほとんどを、経営者が設計していて、労働者はその中の一部分を担当します。だから、モチベーションだけ上がれば、仕事をこなして給料がもらえるのです。
それによって、評価が高くなったり、給料が増えたりするかもしれません。
労働者の世界ではいかにモチベーションを上げるか、というのが問題になります。それは仕事が上から与えられるので、それをこなすためにモチベーションが必要だからです。
では、自分でビジネスをするとなった時には、どうなるでしょうか。自分でビジネスをする時にモチベーションだけ高くなっても、上手くいくとは限りません。
例えば、コーチやセラピストが一生懸命集客やアクセスアップをしていくとします。しかし、それが売り上げにつながらなければ、ビジネスは成功しません。
無料で受けたい冷やかし客がどんどん集まってきたら、意味がないでしょう。マーケティングは、有料で商品が欲しいと思っている見込み客を集めることなので、モチベーションだけでマーケティングをすることはできません。
モチベーションが高まったら成功する、というのは幻想なのです。今稼げるビジネスプランを持っていない人が、モチベーションを上げたところで、現状は変わりません。
上手くいかないと、モチベーションはもっと下がります。一時的に、セミナーなどでモチベーションを上げたとしても、構造的に間違っていると、モチベーションすらなくなっていくのです。
本当の問題は、方向が決まっていないこと
本当の問題は、モチベーションが高いとか低い、というところではありません。問題は、ビジネスの方向性が、明確になっていない、ということです。
ビジネスの方向性というのは
・自分自身のゴール設定
・ビジネスプラン
のことです。
まず、自分がどうなりたいのか、その中でいくら稼ぎたいのか、誰をクライアントにしたいのか、というゴールができていないと、どこを目指したらいいのかがわかりません。
その状態でやみくもにマーケティングをしようとしても、自分もよくわかっていないので、見込み客にも伝わらないのです。
そして、自分の目指す方向を元に、ビジネスプランを作る必要があります。どこでアクセスを集めて、どうやって、どんな商品を成約するのか、という流れを決めるのです。
ポジショニング
商品作り
ブログ
ステップメール
体験セッション
セールス
というふうに、ビジネスの全体ができていないと、売り上げは上がりません。逆に言うと、ここがしっかりできていたら、人にやってもらってもいいので、モチベーションに関わらず稼げます。
こうしたゴール設定や、ビジネスプランが見えていないのに、モチベーションだけ上がっても、無駄なことをしてしまいます。無駄なことをすると、しんどいだけで成果が出ないので、やがてやめてしまうでしょう。
ゴール、ビジネスプランをしっかり作っておけば、何をしたらいいのか、どうやったら売れるのかが明確になります。あとは行動して、改善していくだけでいいのです。
このイメージができると、日々のモチベーションのような、感情的なことに流されなくなります。また、稼げることがわかるので、モチベーション自体も安定していきます。
労働者思考からビジネス思考へ
モチベーションが上がれば稼げるというのは、自分の労働力を会社に売っている労働者思考です。頑張れば給料がもらえる、という思考です。
会社の中では、頑張っていたら認めてもらえるかもしれませんが、お客さんからしたら、頑張っているかどうかは関係ありませんし、モチベーションも関係ありません。
買う方は、これは自分にとって役に立つのか、それにお金を払うだけの価値があるのか、ということを気にしています。ビジネスをするなら、そういうところから考えていきましょう。
ビジネス思考では、モチベーション以前に、有料で買ってもらえる商品があるかどうか、そして、それを売るためのマーケティングがあるか、などが先に来ます。ビジネスプランを先に作るのです。
そして、その中で
アクセス数
メルマガコンバージョン率
申し込み率
成約率
を見ながら、改善していきます。
もちろん、コーチング自体やりたくないとか、コーチとして稼ぎたくない、というのは論外で、ここでは話題にしていません。ビジネスとして稼ぎたい、クライアントも欲しいとほとんどのコーチは思っているでしょう。
仕事が降ってくるならいいのですが、ビジネスというのは、自分で経営していかなければなりません。これは一人ビジネスでも同じことです。
稼げるコーチになるためには、このように労働者思考を変えて、ビジネス思考になる必要があります。なんでもやります、頑張ります、というのでは売れないのです。
見込み客が何をしてほしいか理解する
稼げないコーチは、売れない商品を努力して売ろうしています。そしてモチベーションを上げてもっと努力すれば売れると思っています。
しかし、見込み客からしたら、いらない商品はいくら売り込まれてもいらないのです。だから、見込み客が何を欲しているのかを、ちゃんとつかむ必要があります。
そのためには、簡単な方法があります。それは、見込み客に聞くということです。ほとんどのコーチが、見込み客に聞いていないで、自分の売りたいものを売ろうとしているので売れません。
例えば、体験セッションのときに、見込み客のゴールや、欲しいもの、サポートして欲しいことを聞きます。それが実現できるのなら、見込み客はあなたにコーチングをして欲しいと思います。
そして、それがなぜ実現できるのか、ということがイメージできれば、見込み客は買いたいと思うでしょう。
あとは、お金の問題があります。お金がないから、というのは断るための言い訳ですが、本当に欲しいけどお金がないという人がいます。
お金を言い訳に使っている場合は、他にお金が必要な理由を言ってくるのでわかります。私は、百万以上でお墓を買わないといけない、と言われたこともあります。
そういう人は、セールスするだけ無駄なので、すぐ終了しましょう。本当に欲しいと思っている人は、真剣に悩みます。
商品はほしいけど、高いから払えない、ということなら、その商品は売れる商品だということです。
そのときには、率直に、いくらなら払えるか聞きましょう。そのときに、半額までだったら、最初はお金を受け取る練習のために成約してもいいでしょう。
それ以下になると、そこまでやる気がないので、クライアントにすると後々トラブルが起こるかもしれません。
そして、実際に聞いた内容を、自分の商品に反映させて、改善していきます。このように、売れる商品を作るためには、見込み客からフィードバックをもらって行けばいいのです。
しかし、こういうことをしないで、セールススキルを学ぼうとか、集客スキルを学ぼうとするので売れません。モチベーションを上げて、スキルを学んだところで、大事な商品作りが間違っているから無駄になるのです。
ビジネスを成功させるには、ビジネスを成功させるマインドと、プラン、行動が必要です。まずこの点を理解してください。モチベーションの問題ではないのです。