今回は価値とは何なのかという話をします。
価値というのは、人間が役に立つと思うことや嬉しいと思う事です。
例えば、ご飯を食べたら今日も生きられるので価値があります。またご飯を食べておいしいので、それにも価値があります。
これが価値というものです。
ビジネスでよく価値を提供すると言われることがありますよね。価値を提供するというのはつまり、受け取った人が何か役に立つとか嬉しいといったプラスの感情を感じるということなのです。
つまり提供する側と受け手があって、初めて成立するのが価値なのです。
仏教でいうと縁起の考え方になります。
縁起というのは、世の中の全てがそれそのものだけで成立するわけではない、全てが関係性の中にあるという考え方です。
例えば、膝はどこかわかりますか?
膝はどこかと言われたら、多分多くの人が、膝のお皿を触ると思います。しかし膝のお皿は膝のお皿であって、膝そのものではありません。
膝というのは、モモの骨とスネの骨が出会う場所にある領域のことです。
膝は関節といいますよね。関節の関は、関係性の関です。つまり膝は関係性の中にしか存在していないということなのです。
他の骨や筋肉があって初めて膝という存在が生まれます。膝というそのものは何か、といっても、関係性でしか示すことができないのです。
もちろん筋肉や骨というのも、様々な細胞や他の部位があって初めて成り立っているものです。
これが縁起の考え方です。
価値というのも全く同じで、価値は関係性の中にしか現れないので、価値そのものを出せと言われても出すことができないのです。
価値を提供するというと、稼げないコーチの多くは良い商品を作ろうと考えます。良い商品というのは自分から考えて良い商品のことです。
そのためスキルを上げたり、講座で勉強したりして、良い商品を作ろうとします。そしてそれを提供することを、価値を提供することだと思っているわけです。
しかしその商品が価値あるものであるには、誰かがそれを欲しいと思って買ってくれる必要があります。誰も欲しくない商品は、価値のないものです。なぜなら価値は関係性の中にしか存在しないからです。
なのでいくら良い商品を作って、これが良い商品ですよ、と宣伝したところで売れないわけです。
商品を買う人は、自分の悩みの解決や自分の理想の未来が実現することを望んでいます。なので、それが叶えられるのであればお金を払うわけです。
こうした関係性が価値で、ビジネスの本質であります。
稼げないコーチのほとんどはこのことがわかっていません。だから自分の考えで良い商品を作って売れなかったり、ゴミ商品をビジネススキルで売ろうとするわけです。
それがコーチの多くが稼げない原因になっています。
売れない商品は価値がないゴミだということです。自分がゴミではないと思っていても、誰も買ってくれないならゴミでしかありません。
逆にいうと売れる商品は、コーチングが下手だろうと、他のコーチがどう思うと、価値があるわけです。もちろん約束を果たさなければいけませんが、お客様のニーズを満たせるから売れるのです。
お客様のニーズが満たされるのであれば、コーチングが下手だろうが資格を持っていなかろうが全く関係ありません。コーチングというのも、縁起の中にしか存在しないからです。
このように関係性を見ていくことが、コーチングでもビジネスでもうまくいくための秘訣です。
抽象度が低くなると、商品にしてもコーチングにしても、決まった固定した形があると考えてしまいます。何々のスキルを使うからコーチングだとか、これが良い商品だから価値があるというふうに勘違いしてしまうわけです。
なので少し視点を上げて、関係性を見れるようになってくださいね。それはそんなに難しいことではありません。
要は、お客様が欲しいと思って喜んでくれる商品を提供すればいいわけです。そこからずれてしまうから難しくなっているということに気づいてください。
常にお客様の欲しいものが商品であるというところから、目をそらさずに見続けることが大切です。
ビジネスはお客様との間にしか成立しないことなので、その関係をしっかりと理解してくださいね。
これはコーチングでも同じことで、コーチングはクライアントとの関係性の中にしか存在していませんよ、ということをちゃんと理解することです。
セルフコーチングの場合も、自分が自分というクライアントにコーチングをしているわけです。
なのでマインドが変わったり、ゴールが達成したりすることができたら、それがコーチングだという事です。少しわかりにくいかもしれませんが、自分とクライアントという関係性を見る視点を持てばわかるでしょう。
今回は価値とは何かについてお話ししました。ビジネスがうまくいっていない人は、価値とは何かがよくわかっていません。
価値はお客様が欲しいと思ってくれないと生まれない、ということをしっかりと理解してくださいね。
自分が自分勝手に良い商品だと思っていても、そこに価値は生まれないので、当然お金も入ってきません。それがビジネスなのです。このことに気付けると、あなたの視点も変わって、どうやったら稼げるのかというのがだんだんわかってくるでしょ。
自分が成長したり自分を高めることも大切なことです。しかしプロのコーチであるためには、自分の視点ではなくて、お客様と自分という視点をしっかりと持ち続ける事です。
そうやってあなたも稼げるようになってほしいと思います。