売れる商品作りのマインドセット
今回は、商品作りの正しい考え方についてお話しします。商品作りに関しては、勘違いしている人が多いです。「良い商品」を作ると売れると思っているのですが、それでは売れません。
稼ぎたいなら、「売れる商品」を作る必要があります。そして、売れる商品は、マインドセット次第で作ることができます。
猫が教えてくれた売れる方法
以前、うちの猫に立派なキャットタワーを買ってあげたことがあります。遊び道具があった方がいいだろう、ということで、通販で探したのです。
そうしたら、かわいい猫たちが喜んで遊んでいる写真とか、動画のあるキャットタワーが売られていました。これはうちの猫が喜ぶに違いない、と思って、買いました。
商品が届いて、組み立てたのですが、ちょっと組み立てが難しかったです。それを一生懸命組み立てて、やっと出来上がったので、部屋の角の置きました。
猫は、苦労して作ったキャットタワーの匂いを嗅いで、何だこれ、と興味深々という感じでした。いい感じだ!と私はワクワクしました。
しかし、あらかた匂いを嗅いで確認が終わったら、スッと歩いて去って行きました。
その後もキャットタワーに乗せたり、マタタビをまいたりしてのですが、全然興味を持ちませんでした。
そして、ふと見ると、家に置いてあったダンボール箱の上に、猫が厳かに鎮座していました。
うちの猫は、立派な、手間のかかったキャットタワーよりも、そのへんのダンボール箱の方が好きだったのです。これは、猫を飼ったことがある人なら、多くの人が、「あるある」と共感してくれると思います。
結局猫は、いい商品だとか、品質が高いとか、手がかかっているとか、人間の都合は関係ないのです。自分が座って気持ちいいと思わない限り、見向きもしません。
コーチングビジネスでも、コーチがコーチングスキルとか、知識とか、良い商品を売っているつもりでも、お客さんが欲しいものでないと売れません。
しかし、売れないコーチは、
○○の資格があります!
こんな技術を使えます!
どんな悩みにも答えます!
と良い商品を作ったつもりになってしまいます。
そのような、良い商品を作って、良い技術を持っていれば、稼げる、と思っているのです。ところが、それでは売れません。
なぜなら、お客さんは、自分の問題が解決するか、目標が近づくか、にしか興味がないからです。コーチングのスキルを買いに来ているわけではありません。
恋愛の悩みが解決したい女性なら、スーツ姿で、「なんでもご相談ください、こんな資格を持っています」という男性コーチより、「恋愛の悩みを解決して幸せになりましょう」というラブリーな女性コーチの方がいいでしょう。
それは、後者の方が、恋愛の悩みが解決しそう、と思えるからです。前者には、多分見向きもしないでしょう。
要は、お客さんが、自分にとって価値がある、と思わない限り、売れないのです。良い商品ですね、とか、すごいですね、と思ってもらったとしても、それに対してお金を払うわけではありません。
「良い商品」が売れないのは
稼げないコーチは、商品が売れないと、
ターゲットを広げる
新しい資格や技術を学ぶ
価格を安くする
という対応をしてしまいます。これらは、自分視点で、「良い商品」を作ろうとしているのです。
多機能で、高品質な商品を安く売ったら売れる、という考え方です。それは、売る側の都合でしかありません。
あなたは、「グッチのバッグがなんと100円です!」と言われて、買うでしょうか?「この純金のアクセサリーが、500円ですよ」と言われたらどうしますか?どう考えても偽物としか思わないでしょう。
安くしたからといって、お客さんの役に立つわけではないのです。安いから買う、という人もいますが、ちゃんとした商品を買いたいと思っている人は、安いというだけで見向きもしなくなります。
コーチングビジネスはでは、商品が安くなると、ビジネスがどんどん苦しくなっていきます。というのも、スーパーみたいに、どんどん人が入ってくる、というビジネスではないからです。
単価を数万円に設定した方が効率よく稼ぐことができます。そして、「なるべく安く受けたい」という人ではなく、「お金を払って大きく成長したい」というお客さんに来てもらうことができます。
こんな風に、お客さんの視点で考えて、ポジショニングをする必要があります。
こう言うと、
「高い商品を売るために、価値の高い自分になります。そのために、スキルアップをします」
と考える人がいます。
これも、自分視点の勘違いです。
自分が価値がある、と思っているものを、いくら集めても、売れる商品がなければ売れません。
弁護士資格は、昔はかなり稼げましたが、今では、下手をするとフリーター以下になります。弁護士という価値が高い資格を取ったつもりでも、マーケットから求められないなら、売れないのです。
そのために、学部4年、大学院2年もかけても、法学に詳しくなりますが、市場価値が高まるかは別問題です。
今なら、2か月くらいプログラミングスクールに行った方が、弁護士より稼げます。それは、プログラマーが不足しているからです。
コーチング資格が価値があるかというと、ほとんどない、というのが実情です。というのは、供給過多になっているからです。
自分の価値に気づく
あなたは、部屋に国宝級の茶碗があったらどうしますか?家宝にしたり、美術館に高値で買い取ってもらいたい、と思うでしょう。
その茶碗を置いてある部屋に、子供を近づけますか?絶対に近づけないと思います。
なぜなら、子供は茶碗をぶん投げて遊ぶかもしれないからです。大人なら、茶碗が高く売れることがわかっていますが、子供は売れることがわかりません。
だから子供は、うまい棒を100万本買える茶碗より、うまい棒の方がいいと思います。
スキルアップをしないいけないとか、勉強しなきゃいけない、と思っているコーチは、子供と同じことをしているのです。
それは、すでに売れるものがあるのに気づいていない、ということです。
お客さんが何を求めているか、そして、自分が提供できるものは何か考えて、適切にポジショニングすれば、売れる商品を作ることができます。
よく「ビジネスは0スタートです」という人がいるのですが、0スタートの人はいません。何かしら、売れるものがあるのに、気づいていないだけです。
自分が売れるものを持ってるのに、何か自分を高めないといけないとか、価値あるものを手に入れないといけないと思っているのです。
すごい特別な何かがないと、ビジネスができない、と思い込んでいます。
赤ちゃんは、何も知識もスキルも持っていないですが、みんながどんどんお金とか、贈り物をくれます。
コーチなら、ただ話を聞いてあげるだけでも価値になります。これを高い値段で売ってもいいのです。
暇でお金がある人ほど、話し相手が欲しかったりします。そのためにわざわざクラブとかキャバクラなんかに行って、面白い話をして高いお金を払う人もいるのです。
もちろん、売り方は工夫する必要があります。話を聞きますよ、では、安い値段でしか売れないでしょう。話を聞くのは、コーチ以外でもやっているからです。
そんなこと?と思うかもしれませんが、そう思っているのはコーチだけで、黙って話を聞くことだけでも、価値があることです。
こうしたことが見えないので、新しい技術とか、特別な能力がないといけない、と思って、スキル貧乏になっていきます。
専業主婦でも、料理、子育て、掃除、洗濯、その他何でもやるのが、当たり前だと思って、主婦だから売るものがない、と思っている人もいます。
しかし、これらは全部市場に出したら、単純に年収で1000万円は行く働きです。それなのに、よく分からない、時給1000円くらいの資格をユー○ャンで取る主婦もいます。
それなら、勉強している時間に、マーケティングをした方が良いのです。コーチも同じで、売れるコンテンツがあるのに、勉強していてもしょうがないのです。
何が売れるか、がわかれば、自分を高めなくてもいい、ということがわかるでしょう。それは、自分視点ではなく、お客さんの視点で探す必要があります。
これが分からないと、「自己投資」と思ってお金を払っても、収入が増えない、と悩むことになります。多くの人が、稼げるようになる、と思って、勘違いの自己投資をしています。
いくら、「自己投資」をしても稼げるようにはならないですよ。稼ぎたいなら、自分を高める、ではなくお客さんの方を見る必要があります。
私は、よく「ビジネスに時間を使いましょう」と言っています。この時間の中に、勉強の時間は含みません。必要な人に、必要なものを届けるのが「ビジネスの時間」です。
稼げるコーチになるなら、ビジネスにしっかり目を向けて、時間を使ってくださいね。お客さんが何を必要としているかがわかれば、商品を作って、高額で売ることもできます。