文章がうまくなる5つのポイント
文章がわかりやすく、面白くなるには、コツがあります。今回は、5つの基本ポイントをご紹介するので、取り入れてみてください。
全部取り入れなくても、1つでも使ってみると、あなたの文章がレベルアップするでしょう。
それでは解説してきますね。
先に結論を書く
文章では、先に結論を書く方が、読み手にとってわかりやすくなります。これは、文章の基本でも一番大事なことです。結論を先に書かないと、何を言いたいのかわからない文章になります。
突然ですが、クイズです。下の文章は何のことかわかりますか?
その手順はとても簡単である。はじめに,ものをいくつかの山に分ける。もちろんその全体量によっては,一山でもよい。次のステップに必要な設備がないためどこか他の場所へ移動する場合を除いては,準備完了である。一度にたくさんしすぎないことが肝心である。多すぎるより,少なすぎる方がましだ。すぐにはこのことの大切さがわからないかもしれないが,めんどうなことになりかねない。そうしなければ,高くつくことにもなる。最初はこうした手順は複雑に思えるだろう。でも,それはすぐに生活の一部になってしまう。近い将来,この作業の必要性がなくなると予言できる人はいないだろう。その手順が終わったら,再び材料をいくつかの山に分ける。そして,それぞれ適切な場所に置く。それらはもう一度使用され,またこのすべてのサイクルが繰り返される。ともあれ,それは生活の一部である。(Bransford & Johnson,1972)
認知科学では、よく紹介されるお話です。
何かわかりましたか?
これは、洗濯の話です。洗濯と言われるまで、何かよくわからなかったと思います。同じように、先に結論がない文章は、何を言いたいのかよく分からなかったり、読み手が理解するのが大変になります。
理解できないと、面白くないので、ブログから離れてしまうでしょう。
読みやすい文章を書きたければ、先に結論を書いて、何についての話なのかを明確にしましょう。結論を先に書くと、興味を持ってもらえて、そのあとの文章も読んでもらえます。
あなたはランチをとりたい時、街を歩いて、何屋さんか見てから入りませんか?お店は、イタリアンなら、イタリアンとわかるようになっています。でも、看板もない、メニューも出ていない店に入りたいと思うでしょうか。
イタリアンを食べたい人は、イタリア国旗とか、ピザの絵とかが飾ってある店に興味を持つのです。ブログも同じように結論を先に出せば、そのあとの文章にも入ってもらえます。
逆に、小説のように、結論を先に書かない文章もあります。結論を言わないで、読者に想像させるのです。ブログなどで、物語を書くのも、読者を惹きつけるので良いと思います。
ただ、基本的にブログマーケティングでは解説文が多いので、結論を先に書く、という基本を押さえておきましょう。
また、一つの文章につき、結論は一つ、ということも覚えておいてください。
具体例を入れる
具体例を入れることで、文章はより理解してもらえるようになります。具体例は、事例とか、経験談などです。
例えば、あなたが「本を読んだほうがいい」という話について書きたいとします。そうしたら、自分が本を読んでうまくいった話とか、失敗した話、読書が好きな人の例などを書きます。
「私は、昔本を読むのが苦手でした。しかし、一冊の本に出会ったことで価値観が変わり、人生が楽しくなったのです。それ以来私は、本の価値に気づくことができ、読書が好きになりました。」
こんな風に、具体例を入れると、本を読んでみようかな、という気持ちに読者になってもらうことができます。この例は骨格だけですが、もっと詳しく書いていけばよりイメージしやすくなるでしょう。
どこで本を買ったのか、どんな風に価値観が変わったのか、などなど詳細に書くことができます。
コーチング系の話でも、「目標設定はこうします」と言っても、詳しい人ならわかるかもしれませんが、詳しくない人はわかりません。そこで、具体例を出すことで、読者は身近にイメージすることができて、理解しやすくなるのです。
比喩や類比を入れる
比喩と類比は、似たものを文章の中に取り入れる方法です。主観的なものを比喩といい、客観的なものを類比と言います。
比喩
奥さんが怒ったことを表現するとき、
「妻が鬼になった」
「妻の顔が鬼のように赤くなった」
このように似たものになぞらえるのことを比喩と言います。比喩の基本は2種類で直喩と隠喩です。奥さんの例では、上が隠喩、下が直喩です。
隠喩は、「〜のような」という、例えていることを隠す表現です。「味の宝石箱」「料理界のスティーブジョブズ」みたいな感じです。
比喩が上手いのは、グルメレポーターです。彦摩呂さんが面白い比喩で有名です。
「目標設定を間違えたとき、私の心は鉛のように重たくなりました。」こんな風に、少し比喩を入れると、文章が面白くなります。
類比
客観的な文章や、解説をする上では、類比の方が比喩よりも使えます。ブログだけでなく、クライアントに説明するときにも使いやすいので、得意なパターンを作っておくといいでしょう。
ビジネスの説明では、
「家を建てるときは、まず土地を選びます。土地が良くないと、良い家は立ちません。そして、土地を選んだら、設計図を作ります。設計図がないと、家がガタガタになるでしょう。
ビジネスにおいては、土地選びがポジショニングで、設計図をビジネスプランといいます。」
こんな風に、客観的に似た構造のものと比べることで、自分が言いたいことを的確に伝えることができます。
コーチングは良く旅と類比されます。ホメオスタシスはエアコンの温度調整機能、抽象度はパソコンのフォルダ構造と類比できます。
こんな風に、説明のための類比のパターンをいろいろ持っておくと、便利です。類比ができると、自分自身の理解度も飛躍的に高まります。
ブログを書くのは、具体例や、類比、比喩をすぐに使えるようにする、コーチのためのトレーニングにもなります。なので、ブログは自分のためにも積極的に書いていきましょう。
類比が上手なのは、島田紳助さんや、『ドラゴン桜』の三田紀房さんです。参考にしてみてください。
最後はまとめる
文章の最後は、まとめをするとより読者の頭に残りやすくなります。
文章を読んでいる間に、「何の話だっけ」と読者は忘れてしまうことがあります。最後にまとめをすることで、全体の話が一つに繋がるのです。
まとめは、全体の要約をして、大事なことを最後にもう一度伝えます。
また、最後に行動を促しておくと、実践してみようという気持ちになってもらえます。「まずは、目標設定からスタートしてみてください!」と言っておけば、必要な行動が何かわかるのです。
先に構成を考える
文章に慣れてきたら、先に構成を考えるようにしてみましょう。先に構成を考えておくと、文章が書きやすくなり、改善もしやすくなります。
あなたが、学校の先生だったとします。クラス替えの時期になったのですが、どうやってクラスや席順を決めますか?
多分名簿とか名札を見ながら、誰をどこに入れるか、良い席順などを検討してみるでしょう。名簿ができてから生徒に指示を出せば、みんなスムーズに動いてくれます。
全部の生徒を適当にグラウンドに立たせて、こねくり回したりはしないはずです。ものすごい手間がかかって、わけがわからなくなりますね。
文章も同じで、先に目次の構造を作っておくと、どんな話を入れるか、いい並び順などの操作がしやすくなります。目次ができてから、書き始めれば、スムーズに、迷わず書けるのです。
文章の構造を作らないで書くと完成してから改善するのが難しくなります。また、自分でも何を書きたいのかわからなくなったりします。労力がかかるので疲れるのです。
先に構成を作る方が大変なイメージがあるかもしれませんが、結局は自分が楽になります。大まかにでも、構成を作るように練習してみましょう。
文章はポイントがわかるとレベルアップする
今回は文章がうまくなるポイントについてお話ししました。知らなかったことや、取り入れられそうなことはあったでしょうか?
いきなり全部入れるのは難しいと思うので、一つだけでも取り入れてみてください。特に先に結論を書くことは大事なポイントです。
まず結論を書き、それを具体例、比喩や類比でわかりやすく話ながら、最後にもう一度全体をまとめます。文章に慣れてきたら、目次の構造を作ることにもチャレンジしてみてください。
これらのポイントが1つでもできるようになれば、あなたの文章は大きくレベルアップするはずです。ぜひ取り入れてみてください。