最近、大麻解禁運動が盛んになっているそうです。「大麻は麻薬じゃない、安全だ。」などと言う大麻合法化の活動家が日本にもたくさんいるようです。
そして、残念なことにその中にヨーガ行者が目につきます。最近では某元タレント国会議員の親族のヨーガ講師が大麻取締法違反で逮捕されました。彼女は大麻を推奨する発言を繰り返してました。
そのほかにも、有名女優のヨーガ行者が「手軽に多幸感を味わえる」と熱心に合法化運動をしていたり、たくさんのヨーガ行者が積極的に運動に関わっているようです。私の身近にも何人かいます。大麻は医療用と嗜好用がありますが、彼らがやっている合法化運動は医療、嗜好を問わず解禁せよという運動です。医療用のみならまだしもそういう話ではありません。彼らは堂々と嗜好品として吸いたいのです。
私はヨーガ行者が嗜好用大麻合法化を推奨することは、とんでもない自己矛盾なのでやめるべきだと思います。また医療大麻の陰に隠れて合法化運動をすることもやめてほしいです。医療大麻はあくまで医薬品の話であり、同じ大麻でも嗜好用といっしょくたに論じられません。
まず知らない方のために、ヨーガとは何かをお話します。ヨーガにはいろんなポーズをするストレッチのようなもの、呼吸法、瞑想などがあります。これら全部含めてヨーガと言います。いずれも自己観察とコントロールのプロセスです。良く知られているポーズをとりながらストレッチするヨーガも、体を柔らかくすることよりも自己観察とコントロールに重きが置かれています。
ヨーガを極めると、徹底的に自己観察・コントロールが可能になり、筋肉はもちろん、心臓の動きを止めたり、内臓を動かしたりと、無意識の領域さえも意識化できるようになります。脳内状態も自在にコントロールできるようになるので、修行することで感情や記憶のコントロール、自分でドーパミンを出したり、多幸感を味わったり幻覚を作り出すこともできるようになります。ヨーガにはクンダリーニ覚醒という行法がありますが、これも体内のエネルギーを操る行法の一つです。
ヨーガをしっかりやっていれば、自分でさまざまな精神状態を作れるのですから、軽い幻覚を見る程度の大麻など必要ないのです。ましてヨーガは遥かに高い境地を目指しています。大麻に頼って気持ちよくなっているようでは「修行が足りん!」ということ。ヨーガ行者が大麻推奨をするのはちゃんちゃらおかしいのです。大麻の力に頼って自力で脳内状態をコントロールすることを怠っていると、瞑想も深まらないでしょう。
大麻推奨する人たちは大麻常用者でしょうか?推測ですが吸っている人は多数いるでしょう。大麻は日本では栽培、所持、譲渡が禁止されています。日本で吸っているならまず間違いなくマフィア、ヤクザ、犯罪組織の違法ルートを経由しているはずです。そんなことは見てみぬふりなのでしょう。犯罪組織の金づるである末端消費者が恥ずかしげもなく合法化を騒いでいるのです。そういうのが「自然回帰!」「ラブアンドピース!」ってことなのかな。
社会的リスクを軽視しているとしか思えません。特にアメリカやオランダ、ジャマイカなどの国と違って大麻摂取の文化的な素地がない日本では社会的リスクは未知数であり、嗜好品として幻覚作用のある麻薬を導入するのは危険が伴います。世界では大麻はいまだに違法薬物であり、厳格な管理統制が必要なドラッグです。そんな状況で、日本でも一般的に許容されているわけでもない嗜好用大麻を血眼になって合法化しようとするほどの合理性はあるのでしょうか。
ヨーガは合法で大麻より遥かに高い精神的効果が出るのだから、大麻推進派のヨーガ行者は大麻を捨てヨーガを必死で広めたらいいのではないでしょうか。大麻推進している暇があったら、地道にアーサナ(ヨーガのポーズ)の一つでも練習したらどうか、と強く思います。
この記事へのコメントはありません。