宇宙には私たちの他にもたくさん世界が同時存在しています。私たちの世界とはまるきり違うルールで動いている世界があるのです。パラレルワールドと言ったらSFのようですが、今まさに無数に存在しています。
私たちは人間です(この文章を人間以外が読んでいなければ)。人間には人間の世界があり、認識があります。例えば私たちの多くは花を見て美しいと思います。花は色とりどりの鮮やかな色で私たちを魅了しているように見えます。
ただ、実は私たちにはわからない花の美しさがあります。例えばそれは、虫から見た花の色です。
人間が知らない花の色
私たち人間の目に見えるのは物理的には可視光線だけです。しかし、虫たちは紫外線を見ることができます。そのため、虫と人間では花の見え方が異なっているのです。
虫から見ると紫外線を反射した花の模様は違うように見えます。また人間から見たら花粉より花びらの方が目を引きますが、虫から見ると花粉のところが目立って見えているようです。花粉の部分が紫外線を反射するようにできているので、
花の方でも、もしかしたら人間を楽しませるために美しくなっているのかもしれませんが、実際一番のパートナーは虫でしょう。虫が花粉を運んでくれるから子孫を繁栄できるからです。花からしたら、特に花粉のところを目立たせるのは、効率のいいやり方です。
紫外線を人間に見えるように撮影した写真はこちらから見ることができます。
Flowers look way more beautiful if you’re a bug
人間と虫の異なった世界
実際こういう風に見えているかはわかりませんが、人間とは見え方が違うことがわかります。もしこんな風に見えていたら、虫たちが花に吸い寄せられていくのもうなずけます。
また虫が光に集まる原因の1つは紫外線です。紫外線を頼りに飛んでいる虫が多いので、街灯などの照明に集まってきてしまうのです。虫を集まらなくさせるためにはLED電球が有効です。というのもLEDは紫外線が少ないため、虫が寄ってこないからです。
このように、虫と人間ではかなり世界の認識が違っています。人間にとっては重要でないことも、虫にとっては目立って重要に見えるのです。同じ空間にいながら、別々の世界が同時に存在しているようなものです。
現状の外側はルールが違う
コーチングの考え方の中に「現状の外側」というものがあります。現状の外側というのは、過去の延長線上にはない未来のことです。言い方を変えれば「ルールが違う新しい世界」のことを言います。
虫と人間では紫外線が見えるか見えないかという違いがあり、それによって生き方のルールも変わってきます。お互いにとってそれぞれの世界は「外側」であるのです。そして人間同士であっても、それぞれ同じ世界の認識を持っているようでいて、全然違うルールに従って現状を作っています。
現状の外側が、過去の延長線上にないとはどういうことでしょうか?それはルールが違うので、今までと同じようにやっていても、外側には行けないということです。私たちはいくら花を見ても花粉が光って見えたりしません。
これが重要なところです。今の現実を変えてその外側に行くためには、ルールを変える必要があります。つまり現状では考えられないようなゴールを設定するのです。そうすることで、人生のルールが変わり現実もそれに従って変化していきます。
もし虫のように花を見たいと思うなら、それは立派なゴールになるでしょう。ゴール設定をしてそれを目指すというのは、自分自身の世界のルールを大きく変更して、全く新しい認識へと生まれ変わるということなのです。