変われない人に特徴的な思考パターン
自分を変えたい、人生を変えたい、と思っていても変えられない人がいます。なぜでしょうか。
それは「変われない理由」ばかり見つけているからです。
変われない理由があると、「こういうわけで、自分は変わらなくても良い」と納得することができるので、そこから何も変わらなくなるのです。
よくあるのが、
・親が悪いから
・国が悪いから
・社会が悪いから
・遺伝だから
・過去や前世がそうだから
などです。
そしてこれらを恨んだり、怒ったりするだけになります。原因は自分ではなくて、自分の外側に求めるわけです。けっして、「私がずぼらだから」とか、「努力をしていないから」などの自分で変えられるものに原因を求めません。
また、簡単に変わるようなことを理由にしません。もし、変えられるものに原因があるとすると、自分が悪いということになってしまいます。そうすると、「自分で変わらないようにしている」という事実を突きつけられてしまうので、そういうことはしないのです。
簡単に変えられない方が、自分も他の人も納得しやすいので、難しい理由にします。「飲み会に行っているので、ビジネスに使うお金がない」などというと「じゃあ飲みに行くのやめろよ」と言われてしまいますね。だから、「仕事が忙しくて時間がない」「家族を養わなければいけないので」という話にしてしまいます。
難しい理由で変われないと思いたい人はたくさんいるので、そういう人たちが集まって、その理由を強化していきます。やっぱりできないよね。お金も時間もないよね。社会が悪いよね。と、盛り上がってしまうのです。「起業して年収を上げよう」「ビジネスを一生懸命やろう」などと考えるのは、大変なのでやりません。
以前、私はネットであるブログを見つけました。そこには、親のせいでダメ人間になった、と書いてありました。
その親というのが、エリートビジネスマンのお父さんで、何でも買ってくれて、教育熱心で、子供にも理解がある人でした。私には、よくあるアッパーミドルの家庭にしか見えませんでした。しかし、そのせいでダメ人間になった、と主張していたのです。
これでは、どんな家庭環境であっても親のせいにできてしまいます。本人はそれを固く信じているので、当たり前のことだと思っています。こんなふうに、変われない理由探しはどんな状況でもできてしまうわけです。
こういう人は、どんな境遇であっても、人のせいにしてしまいます。人からしてもらったことへの感謝を忘れて、どんなに良いことでも、悪いことに変換してしまうのです。もちろん悪いことが来たら、そのままにしておきます。
「変われない理由が正しい」理由を探す
変われない理由を探す人は、次に、「変われない理由が正しい」という理由を考え続けます。
自分に都合のいい言い訳や、時には偉い人の言ったことや学問などを使って、徹底的に自分の説を強くしていくのです。
・社会の制度がいかに間違っていて、一市民にはどうしようもできないか
・家族の問題でこんなに困っている
・遺伝は科学的に何%の影響がある
などがあります。このようにして、自分の説をどんどん強化して、「変われない自分」もどんどん強化していきます。もちろん、他にも同じような人がいるので、強力な理論ができていきます。
これは、はっきり言って「すごく無駄な時間」になります。
そういう暇があったら、社会に文句があるなら政治家にメールしたり、会いに行けばいいでしょう。お金の問題なら起業して成功すればいいわけです。
悩んでいる時間があれば、家の中を掃除して、片付けしたりした方がよほど人生が良くなります。
変われない理由を考えている人は、頭が悪いというわけではありません。賢い人も多くいます。しかし賢い人ほど頭でっかちなのであれこれと理由を考えるのです。その方向性が間違っているので、無駄なことをしているということです。
優秀なコンピューターでも、何を計算させるかによって、有用にも無駄にもなります。無駄なことを高速で処理したところで、やはり無駄です。ゴミしか出てきません。
変わらないものに原因を求める人の悲しい結末
変わらないものや、変えるのが難しいものに原因を求めて諦める、というのは一見楽なことに見えます。確かに、労力も創造力も使わないのですから、その意味では楽なことは確かです。
しかし、変われない理由を探すほど、あなたは何もできなくなり、無力で不自由になります。
心理学で、電気ショックを犬に与える実験があります。一方の犬は、電気ショックを止められるのですが、もう一方の犬は、止められずに、電気ショックを受け続けます。
その結果、電気ショックを止められない犬は、諦めて、へたり込んでしまいます。そして、うつ病と同じ状態になるのです。これは、学習性無力感と言います。
変わらないものに理由を求める人は、自分から、電気ショックを止められない犬になっているのです。無力感を感じて、うつ病のような状態になる人もいます。もっと言うと、死ぬ人もいます。
楽な方に流されているつもりが、抜け出せないようなものすごく辛い状況に自分を追い込んでしまうのです。何をしても無駄だ、お先真っ暗だという感じになります。
このように、変われない理由を見つけるほど自分が無力になり、自分が損をするわけです。
変わるためには、変えられるものにフォーカスする
変われない人が、変われる人になるにはどうしたらいいかというと、自分に原因があることを認めなければいけません。自分が変わらない状態を作っているのは、自分以外にないからです。
そのため自分の考えや行動は変えることができます。考え方や行動が変われば、必然的に自分を取り巻く状況は変わるのです。
年収が不満なら、起業でもっと稼げば良いでしょう。また、ビジネスが上手くいっている成功者に、お金を払ってでも相談すればいいのです。
国や親や、過去のせいにしていたら、文句を言っているだけでいいのでとても楽です。しかしそれでは何も変わりません。
自分の思考や行動を変えることは大変なので、自分以外のものに責任転嫁をしたくなるでしょう。しかし、そうやっていたら、何も変われないし、自信もなくしてしまいます。本当に人生を変えたいと思っているのなら、自分が変わると決めるしかありません。
人の気持ちを変えるのは難しくても、自分の行動や思考は変えられます。まずは変わると決めてください。
変われる理由を考える
変われない人は、変われない理由を考えるというお話をしてきましたが、変わりたいなら、変われる理由を考えましょう。
具体的には、変われない、できないと思ったときに、できない理由をできる理由に変えるのです。
起業をするのに、お金がない、時間がない、と思っているなら、お金や時間を作るしかありません。
なので睡眠時間を削れば時間ができるとか、残業を増やせばお金を作れる、というふうにできる理由を探すことです。
このように、できない言い訳を探すのをやめてできる理由を探しましょう。これを、できない言い訳が出てきた時にやってみてください。
コンフォートゾーンから抜け出して成功するには、思考や行動、環境を変えなければいけません。なので本気で変わりたければ変われる理由を自分で見つけましょう。
自分以外のせいにするのをやめる
そして、自分以外のせいにするのもやめましょう。もし、自分以外のせいにしたらそのたびに修正してください。
自分のビジネスが上手くいかなときに、「政府が」「親が貧乏で」などと考えたら、「これはダメだ」と止めましょう。そして、「自分のマインドセットは正しいのか」「十分行動できているのか」などのように修正しましょう。
もちろん、国の経済が沈めば、その影響を受けることはあります。しかし、その中でも、上手くいっている人がいるし、伸びている人がいるのですから、やはり自分が原因なのです。
そもそも、国のせいにしても何も進歩はしません。自分の行動として、自治体に支援や補助金を求めるならいいですが、言い訳をしているだけでは変わらないのです。
コーチングでは、自己責任という重要な考え方があります。自己責任は、自分の思考や行動は自分で選んでいるということです。誰かの責任ではありません。
自分が変わらないことは自己責任です。ただ自己責任は、一人でなんとかするという話ではありません。自己責任をちゃんとわかっている人は、人に頼むことができます。
労働者思考では人に頼ることは恥とか、1人でやらなければいけない、と思っている人が多いでしょう。しかし成功者は人に頼むのは当たり前のことです。むしろ他人の力を使うから成功するわけです。
サラリーマン思考だと、基本的に給料も変わらないので、「今月の給料が3分の1になった!」ということは滅多にありません。責任も曖昧なので、自己責任が理解しにくいのです。日本の企業は特に責任が曖昧です。
世の中、働く人の9割近くは労働者なので、自己責任という考え方は一般的でないかもしれませんね。しかし、ビジネスに限らず、人生のどんな面でも、最後は自分はどうするのか、しかないわけです。
変われない理由を考えることも自己責任だし、それを今やめるか、続けるか選ぶことができます。もちろん言い訳が癖になっている人はすぐに直らないこともありますが、直すと決めるのも自分で選べます。
まず、変われない理由を考えて、何かのせいにすることをやめてください。そして、新しい思考を身につけるために、自分の考えを修正していきましょう。
今回は、変われない人に特徴的な思考パターンというお話をしました。
変われない人は、変われない理由ばかり考えています。そしてその理由がいかに正当なのかばかり考えてしまいます。その結果、自分自身がいかに無力か自己洗脳することになりどんどん変われなくなるのです。
そこから抜け出したいなら、まず変わると決めてください。そして自分以外のせいにして安心するのではなく、できる理由を考えましょう。