やりたいことがあるなら、「現地に行く」と、臨場感がガーンと上がり、大量の情報を得ることができます。また、現地での出会いが、さらに新しい世界を見せてくれるでしょう。私は先日まで沖縄に行っていて、現地に行くことのパワーを実感しました。
沖縄に行ったのは、花粉症から逃げるため。それと、私がずっと練習している島唄、「なりやまあやぐ」のふるさとに行って、現地の雰囲気を感じたかったからです。那覇のホテルに宿泊し、まずは本場の島唄を聞くために、民謡居酒屋に行きました。
民謡居酒屋では、民謡の歌い手さん(唄者)が、リクエストに合わせて歌ってくれます。その日は、テーブルをひとつひとつ回って、リクエスト曲を唄っていました。30代くらいの、目がくりっとしているお坊さんみたいな唄者のおにいさんが、三線を抱えて私のテーブルに回ってきました。
「リクエストがあったら歌いますよ!」
「じゃあ、「なりやまあやぐ」で。」
「なりやまあやぐですか?もしかして宮古の人ですか?」
「いえ、横浜の方から来ました。」
なりやまあやぐは、宮古島の民謡です。ほとんどの人はBEGINやTHE BOOMなどのリクエストなのに、いきなり宮古民謡だったのでびっくりしたようでした。そして、三線に合わせて、私も一緒に唄いました。
次は「多良間ションカネ!」
これは却下。
この2曲くらいしか知りません。沖縄ポップスも聞く気がありませんでした。
それでは、と、おにいさんは、「伊良部トーガニ」という曲を唄ってくれました。
♪サヨーイ 伊良部とぅがマーン 間がまんなヨ
ぱなりゆとぅが間がまんなヨーイ
渡す゜じぬマーン 休す゜じぬあてゃなむぬヨ
嬉しさと寂しさが織り合わさったような、情感のある、引き込まれるメロディーでした。いい曲ですね!というと、おにいさんは、
「この曲は、宮古島の隣の伊良部島に恋人がいる人が、2つの島の間に、船を休める浅瀬があればいいのに、と歌ったものですよ」
私は、見たこともないのに、2つの島と、その間の海を渡る、一艘の小舟を想像しました。そして宮古島と伊良部島の間にある海を見たいという気持ちになりました。調べてみると、そこには「伊良部大橋」という、全長3540mもある大きな橋があるようでした。
そして後日、那覇空港から宮古島に行きました。自転車屋に行って自転車を借り、「宮古島と伊良部島を一周しよう。まずは、伊良部大橋を渡るぞ。」と、揚々と出かけました。
そしてついに「伊良部トーガニ」の舞台を目にしたのでした。頭のてっぺんは焼けるように熱く、エメラルドグリーンの海に目を細めながら大橋の真ん中に立ちました。
結局、伊良部島を一周するのに4時間くらいかかり、時間がないので宮古島一周は断念しました。(風が強かったのと、伊良部島の隣に、さらに下地島という島を発見したせいです。)。次は宮古島を周ろうかと思います。
現地に行ってよかったと思ったのは、
・唄者のおにいさん、「伊良部トーガニ」など、自分ではつかめなかった新しい情報をたくさん得られたこと
・島唄を思い浮かべる時、島の空気や、海風、海の匂い、熱い日差しなどがはっきりと想起されるようになったこと
でした。
それまでは、島唄を聞いても、想像でしかなかったのに、「強烈な臨場感」を伴うようになったのです。(車でなく、自転車で周ったのがまた功を奏しました。)
臨場感が上がったのは、自分が直接体験したからです。みなさんも、想像の中にしかないゴールの、「現地」に行ってみると、臨場感が上がり、圧倒的な情報が手に入ることでしょう。また、「伊良部トーガニ」のように新しい出会いがあるはずです。
・自分のゴール、やりたいことは何か?
・ゴール、やりたいことの「現地」「メッカ」「発祥の地」はどこか?
と考えてると、行くべき場所がわかるでしょう。
例えば、「サンバのダンサーになりたい!」というゴールがあったら、ブラジルに行ってレッスンを受けたり、カーニバルを見学したりすると、一気に臨場感が上がると思います。また、自分のゴールを近づける人物との出会いもあるかもしれません。
「現地に行く」ことを実践してみて、そのパワーを実感してみてください。