コーチングではよく、「やりたいことや夢を目指そう」「ワクワクすることをしよう」と言われています。しかし、「やりたいことや夢がない」「ワクワクしない」と悩んでいる方も多いようです。私のところ相談に来るクライアントさんの中にも、「やりたいことがない」という悩みを持っている方がたくさんいます。
「さとり世代」という言葉をご存知ですか?さとり世代は、欲のない最近の若者のことなんだそうです。「最近の若者は・・・・・・」というよくある話かと思いきや、そうでもありません。若者に限らず、「やりたいことがない」と言う方は結構いるのです。
今回はやりたいことがない人が、やりたいこと=want-toを見つけるコーチングの方法をお伝えします。
やりたいこと=want-toがない原因
まずなぜwant-toがないのかという原因についてお話します。私が考えるその原因は、
・want-toにまだ出会っていない、知らない
・want-toを制限している
・やり方が間違っている
・生きるのに困っていない
の4つです。
まだ出会っていない、知らない
やりたいことがない原因の1つとして、「やりたいことにまだ出会っていない、知らない」ということがあります。やりたいことがない、という人でも、これまでの人生の中でいろんなことを知ったり経験してきています。
もしその中で、これは!というものがあれば、やりたいことがないと困ることもありません。しかし、過去から現在までを見渡してみても、want-toが思い付かないのであれば、それは単純に出会っていない、知らないのです。
私は先日、ダンスダンスレボリューションをやってみたくて、ゲームセンターに行きました。ゲームセンターなんて小学生ぶりでした。結局ダンスダンスレボリューションは混んでたのでやめたのですが、ついでなので他のゲームをやってみようと思いました。
なんとなくガンダムが戦うゲームをやったのですが、それがすごく面白かったのです。ちょっとやって帰るつもりが1時間くらいやっていました。こんな風に、やりたいことはまだ出会っていないことだったり、今は知らないことだったりするのです。
want-toを制限している
次に、やりたいことはあるけど制限している場合があります。これはやってはいけないとか、自分にはできないと思い込んでいるwant-toがあるのです。
例えば、マンガを読むのは良くないことだから、楽しいけど読まない、という感じで制限しています。また、お金が儲からないからとか、仕事と関係ないからといって制限していることもあります。「まじめな理由」で制限していることが多いと思います。
いったんこうした思い込みを外してみることで、want-toを見つけることができる可能性があるのです。ちなみに、小説は今では教養の一つみたいになっていますが、小説が出てきた当初はけしからんものでした。
価値基準は時代によって変わるので、あまりまじめにならなくてもいいでしょう。そのうちマンガは教養扱いされるでしょうし、現に今そうなっています。今の世の中の基準を気にしすぎる必要はありません。
やり方が間違っている
同じものであっても、やり方や取り扱いを間違えると、面白くなくなることがあります。学校の勉強はその典型的な例です。テストに必要だからといって勉強をすると、つまらなくなってしまいます。
ゲームであっても学校に持ってきたらつまらなくなる可能性があります。「1学期はガンダム対戦の試験があります。できないものは居残りで技を覚えてきなさい」「操作法のここは試験に必ず出るから覚えてね!いつやるの?今でしょ!」とやっていたらどうでしょうか?
「明日のガンダムの試験だるいね」「穴埋めができない」と言ってゲームが嫌いになる人が続出しそうです。同じことが学校の教科で行なわれているのです。私も国語で読書感想文の宿題とか、「主人公はこの時どんな気持ちだったでしょうか?」という授業だったので「国語はつまらない。意味がない。 → 寝よう。」となりました。部活の顧問の先生に報告されて叱られました。
今では作文も読書も書評も要約もするので、国語は面白いと思います。しかし、やり方が違うと魅力がなくなってしまうのです。
スポーツでも音楽でも、仕事でも、つまらないやり方をするとつまらなくなります。今知っているものであっても、つまらないやり方をしていないか点検してみてください。
生きるのに困っていない
日本にいれば衣食住に困ることはないし、治安も良く、スマホやパソコンを多くの人が持っていて、生活するには十分すぎるほどです。だから欲しいものもやりたいこともないというのは、無理もない話です。
日本に来ているベトナム人の実習生のブラック労働が話題になっていますが、彼らはすごい借金をして日本に来ています。豊かな日本に憧れたり、お金をたくさん稼ぎたいなどの理由で日本に来ているのです。
日本ではそこまでしなくても十分豊かで、他の国に行ったら生活レベルが下がるかもしれません。実際私はニューヨークに行ってみて、「どんなお金持ちでも、日本より不便だろうな」と思いました。
物質的に豊かになりたい、というモチベーションは現代の日本ではなかなか持ちにくいようです。格差が少ないので、成り上がってもそんなに得しない、ということもあります。
want-toを見つけるセルフコーチング法
以上、want-toが見つからない原因について見てきました。ここからは、もっと具体的にどうしたらwant-toを見つけることができるのか、とっても簡単な方法をお教えしましょう。これは、「知らない、出会っていない」ことに対処する方法です。
名づけて「伊勢丹法」です。やり方は簡単。
・まず百貨店の伊勢丹に行く
・最上階から各フロアすみからすみまで見て歩く
・気になる商品についていろいろ想像する
※伊勢丹以外の、松坂屋やそごうなど百貨店でもOKです!
※本当にすみからすみまで一つ残らず見てください!
これだけです。なぜ「伊勢丹法」に効果があるのでしょうか?まず、百貨店にはあらゆるジャンルの商品が集まっています。そのため「こんなものあったのか!」「こんな美しいものあるんだ!」と必ず新しい発見をすることができます。新しく見つけた「いいもの」は、あなたの現状にはなかったものです。
また百貨店にはある程度以上の品質の良いのものが売られています。百貨店は品質の良さが売りですから、下手なものは置けませんよね。つまりこだわりがあったり、手間をかけて丁寧に作られたものが多いのです。
そのため何か気になるものを見つけたときに、その背後に膨大な情報があることに自然と気付くでしょう。たとえば時計一つとっても、歴史や文化、高度なぜんまいの技術、込められた職人の情熱などを感じることができるのです。
百貨店は膨大な情報空間への入り口なんです。
まあ単純に、いいものが揃っているので、きっと欲しいものが見つかりますよ!この万年筆で手紙を書きたいとか、このかばんで銀座を歩きたいとか、やりたいことが次々見つかるはずです。私も百貨店に行くと結構テンションがあがります笑。
もし気になるものがあれば、店員さんに詳しく説明してもらいましょう。たとえば良い服があったら、服の素材や布の織り方、縫い方、発祥地、ジャンルやデザインについてなどなど・・・・・・店員さんは親切に教えてくれますよ。そうすれば、あなたの知らなかった情報がたくさん得られるはずです。
あなたの心の盲点を外すためのポイント
ただし一つ注意点があります!それは、商品を何となく見るのではなく、一つも逃さないつもりで見歩くことです。なぜなら、何となく見るだけでは、自分がもともと興味があるものしか見えないからです。
人間は脳が重要だと思ったものしか認識しません。たとえば、今このブログを読んでいるあなたは、自分の鼻が見えていません。鼻は確かに視界に入っているのに、ブログが重要になっているため見えないのです。
こうした「見えてるけど見えてない」ということが起こらないように、意識してすみからすみまで見る必要があります。意識すれば鼻は見えますよね。大事なのは現状にないものを見つけることですから、ここだけ注意してください。
ちょっと百貨店に行ってみたくなりませんか?「伊勢丹法」は気軽にできる方法なのでぜひやってみてください!
近くに百貨店がない人も遠出して百貨店に行ってみるといいですよ。日常では出会えないような新しい世界にきっと出会えるはずです。
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