脳科学

潜在能力を狙って引き出す、一番シンプルで強力な方法

人間には潜在能力があります。潜在能力とは、今自分が使っていない、隠れた能力のことです。普段私たちは力を制御しているので、隠れた能力を支えていません。火事場の馬鹿力という言葉がありますが、ブレーキが外れると、普通だったら考えられないような力が出ます。

潜在能力をうまく引き出すことができれば、今のあなたよりももっとすごいことができます。別人のように生まれ変わることもできるのです。潜在能力は誰にでも備わってします。あとはどうやったら引き出せるかです。さまざまな潜在能力開発法がありますが、一番シンプルで強力な方法をお伝えします。

潜在能力を使わないと対応できない状況に身を置くこと

隠れた才能を引き出すために、脳トレ、瞑想、勉強、いろんな方法が世の中では紹介されています。これらももちろん、有効でしょう。ただ、私がオススメしたいのは、もっと本質的なことです。それは、潜在能力を使わざるをえない状況に自分自身を置くことなのです。

例えば、私の大学1年生のときに、「タイピングの試験に合格しないと進級できない」という決まりがありました。私はタイピングなんてほとんどできなかったし、自分ができるとも思っていなかったのです。かなり嫌だったのですが、進級できないのでしょうがなく練習していました。

すると、案外楽しいことがわかり、かなり早く打てることになったのです。今では当たり前のようにタイピングをしていますが、当時の自分が今の自分のタイピングのスピードを見たら、腰を抜かすでしょう。このように、自分の隠れた能力は、「どうしても必要」というときに引き出されるのです。

自分を超えた状況を作り出す

潜在能力を発揮したいのであれば、今の自分の能力で対応できるような環境に身を置いていてはいけません。それでは隠れた力は出てくる必要がないので、眠ったままになってしまいます。思い切って、困難な状況に飛び込んでみることが大切です。

例えば、あなたが普段関わらないタイプの人と話をしてみます。なんとかその人と打ち解けようとしたら、必死でその状況に対応しようとするでしょう。話してみたら、そのタイプの人と仲良くなれるようになるかもしれません。難しい場面でも、なんとかなってしまった、というときは、潜在能力を発揮しているときです。

あなたはもしかしたら、仕事が締め切りギリギリになってしまい、急いで仕上げてしまったものが、意外と評価された、という経験があるかもしれません。何ヶ月、何年もかかると思っていたものが、1日で終わってしまう、ということもあります。自分から能力を発揮せざるを得ない状況を作り出せば、こうしたミラクルを起こすことができます。

意図的に潜在能力を引き出す方法

困難な状況に身を置くと言っても、いつもピンチでは疲れてしまいます。もっと良い状態で、狙って潜在能力を発揮する方法があります。それは、今の自分ではできない目標を作ることです。そしてこのとき、目標を、モチベーションが自然に出てくる、自分がやりたいこと、なりたい姿にすることがポイントです。

やりたいことでなかったとしても、秘めた能力は出てきます。どんなことでも、強制されたら、やらざるを得ない状況になるからです。しかし、これでは疲れてしまうし、わざわざそんなことをしたくない、と思うことでしょう。

だから、自分がやりたいことを、大きくしていくのです。こうすると、モチベーション高く、自分の能力を高めていくことができます。例えば、ランニングをしたいと思っている人なら、思い切って「海外のマラソンレースを完走するぞ」と大きな目標を立てるのです。

そうすると、今の自分の能力では足りなくなるので、脳が活性化して、目標に見合うだけの力が出てきます。やりたくないことだったら、なかなかこうはなりません。近所をランニングしたい、くらいだったものが、一気に10km、20kmと走れるようになります。

潜在能力は自分では気づいていない

潜在能力は、隠れているので、自分ではなかなか気づかないものです。そのため、普段では考えもつかなかったり、想像しただけで尻込みしてしまうようなことも多いです。これは、過去から今までの経験で、自分がどれだけできそうかを計算しているからです。そうすると、「そんなの無理だろう」と思ってしまうし、経験にないものは気づきもしないのです。

しかし、未来に自分でも知らない隠れた能力が引き出されているとしたら、今の基準で考えてはいけません。それでは、能力は高まりにくいのです。できないと決めずに、大きな目標や夢を目指してみましょう。

大人だったら、普通に言葉を話したり、読んだりすることができますが、幼いころには、あなたも今のようにうまくできなかったはずです。今の自分は、子供のときからしたら未来の姿です。つまり、子供のときはもう複雑な言葉を読んだり話したりできるだけの、潜在能力があったと言えます。

同じことが今のあなたにも言えます。今、気づいていないだけで、将来できるようになることがあります。それが潜在能力なのです。だから、未来の自分から今を見るようにしてください。そうしたら、可能性が見えます。過去からの延長で見るのではありません。

潜在能力を引き出すには脳トレ、瞑想は有効か?

潜在能力のトレーニングとして、脳トレや瞑想などが数多く紹介されています。これらはもちろん有効ですが、もっといいやり方があります。瞑想一つとってみても、最初から目標を遠くに置くのです。例えば、「瞑想の達人や仙人になる」という目標を作ってもいいでしょう。

スリランカのお坊さんが言っていたのですが、仏教の瞑想も、ちょっと良くなろうというより、最初から悟りを開くつもりでやっていた方がいいそうです。というのも、ちょっと良くしようと思っても、その目標はなかなか達成しません。一方で悟りを開こうと最初から思っていると、必要な力がどんどん身についていくからです。

近所の山に登ろうと思ったら、それだけの体力や、装備しか身につきませんが、ヒマラヤに登ろうと思ったら、それだけのものが身についていきます。近所の山と、ヒマラヤだったら、持ち物も大違いで、全然別物といえるくらいです。このように、遠くを目指していた方が潜在能力が引き出されます。

瞑想や脳トレも、大きな目標を立ててみてください。悟りを開くでも、世界一の天才になるでも良いと思います。そうしたら、能力ももっと発揮されるし、今よりもっと良い方法が見つかります。

あなたの潜在能力を狙って引き出そう

潜在能力は、普段使っていない隠れた力です。未来にあなたが身につける能力も含まれています。それを引き出して、十分に使うためには、使わざるを得ない状況に身を置くことが一番有効です。火事場の馬鹿力のように、とんでもない能力が出てきます。

あなたの過去から今までの経験ではなかったような、困難な状況に飛び込んでみましょう。もちろん、それだけでは疲れてしまうので、自然とモチベーションが出てくるような、やりたいことを目標にした方がいいです。すると、楽しく、スムーズに潜在能力が出てきます。

やりたいことで、今の自分にはありえないような高い目標や夢を作りましょう。それが意図的に、潜在能力を引き出す方法です。最初から遠くを目指すことで、必要な力がどんどん身についていきます。こうしたことを繰り返していけば、今のあなたからは考えられないような能力が引き出されることでしょう

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