独立するコーチが持つべきマネーリテラシー【前編】
コーチとして独立するのに、必要なマネーリテラシーについて、2回に分けて解説していきます。とりあえず、これだけあれば十分、という内容です。
私は、以前、金融機関に6年勤勤務&コーチ歴6年&独立後5年なので、事業の会計やお金については、他の人より詳しいと思います。
と言っても、まず必要な知識は、それほど多くないので、安心してください!それでは解説していきます。
生活費と事業資金
コーチングビジネスをするためには、まず生活費と事業資金の違いについて理解しましょう。生活費は、自分が生活する上で必要になる費用です。事業資金は、ビジネスで使うためのお金です。
例えば、月30万円の収入があった場合、20万円は生活費、10万円は事業資金というふうに分けることができます。
事業で使うお金は、サーバー代や、ウェブ制作費、広告費、セミナーなどの会場費、コンサル費などがあります。これは、次の売上をあげたり、ビジネスを大きくするために使うお金です。
入ってきたお金が、全部生活費だと思っていると、ビジネスで使うお金がなくなってしまい、継続が危うくなります。そのため、生活費と、事業資金は、分けて考えた方がいいです。
例えば、口座を2つ持って、1つは事業用、1つは、生活費用と分けておけば、わかりやすくなります。
入ってくるお金に関しても、最初から、生活費と事業資金を計算しておきましょう。給料とは違うので、単純に、売上を収入だと思ってしまうと、混同してしまいます。
毎月かかる経費はいくら、生活費はいくら、計算した上で、売上の計画を立ててください。生活費しか見ないと、不安定になります。
勉強代は別にする
この時、勉強代もありますが、売上を上げるための費用と、勉強代は分けて考えた方がいいです。というのは、勉強代にお金を使ってしまうと、次の売上を上げるための経費が出ない場合があります。
経費分を確保した上で、余った分で勉強代に当てるようにすると良いです。ビジネスが上手くいくと、その分勉強代も増えていきます。
コーチは、コーチングの勉強が好きなので、学びにお金を使う人が多いですが、お金を使いすぎると、赤字になります。売上を増やす方に集中した方が、あとあと勉強も安心してたくさんできるようになります。
生活安定資金
ビジネスをする上では、ある程度の貯金があった方がいいです。ある程度というのは、まず3〜6か月分の、最低限の生活費と経費です。
例えば、生活費と経費で最低限は月20万円だとしたら、20万円×3か月分=60万円の貯金を持っておきます。
理由は
・精神安定のため
・売上がなくても継続するため
です。
精神安定のための貯金
まず、貯金が0になると、売上が減ったり、なくなったりした途端に、生活に困り、ビジネスの継続が危うくなります。
貯金0の状態でビジネスをしていると、不安を感じながらになってしまうので、上手く行きにくくなります。不安でビジネスに手をつけられない、となってしまうと、悪循環になります。
貯金があれば、3〜6か月のうちにビジネスを立て直せばいいし、売上が多少減っても大丈夫なので、安心できます。安心感があると、ビジネスも進めやすく、上手く行きやすくなります。
ビジネス継続のための資金
売上が減ったり、なくなった時に、お金がある程度ないと、生活に困るようになり、ホームページ代も出なくなり、ビジネス継続ができなくなります。
売上がなくなったとしても、貯金をある程度持っておけば、経費や生活費を使うことができ、早く立ち直ることができます。
また、先行してまとまった経費を出したいとき(ホームページをリニューアル、広告費を出すなど)に、売上が足りない場合は、貯金の中から出すことができます。
貯金を目的にしない
ただし、貯金を増やせばいい、というわけではありません。というのは、お金は使わないと価値がないからです。たくさん貯金できるようなら、その分を経費に回して、商品を作ったり、広告を打ったりした方が良いです。
支出<収入
売上にしろ、生活費にしろ、支出はそれ以下にするのが基本です。収入が月20万円なのに、月25万円使っていると、いずれ首が回らなくなります。
また、経費もかけすぎると、赤字になります。特に、ビジネスとかコーチングの勉強代がかかると、売上につながらない上にお金も出て行くので、赤字になりやすいです。
収入より支出の方が多くなれば、お金の豊かさが手に入ります。支出の方が多いと、どんなに稼いでもお金に困ります。
生活費が収入より多い人は、生活費を見直しましょう。もしくは、収入を増やしましょう。特に以下の項目は大幅に減らせます。それ以上は、節約ではなく、収入を増やして対応しましょう。
スマホ代
スマホで大手キャリアを使っている人は、格安SIMに変更しましょう。料金が半分くらいになります。
保険
生命保険や医療保険に入っている人は、基本的に解約しましょう。健康保険や年金などの保険だけで十分な保証が得られます。
家賃
家賃は交渉することで下げられます。もしくは、実家とか、誰かの家に行く、シェアする、などで、かなり下げることができます。
飲み代や付き合い
飲み代や付き合いなどはなくします。時間もかかり、お金もかかるので、その間にブログを1記事でも書いた方が良いです。
収入につながらない出費
その他の収入につながらない出費はなくしてください。ビジネスにつながると言っても、コーチングのスキルアップや、集客セミナーなどは、行っても収入になりません。
これらがあると、余裕がなくなっていくので、インプットではなくアウトプットに集中してください。
収入につながる支出は、信頼できるコーチやコンサルに直接アドバイスをもらうなどです。
お風呂にペットボトルを入れるとか、そういうみみっちい節約はしないようにしましょう。余計なことに頭を使うことになります。
それより、マーケティング活動をして、収入を増やした方が早道です。
売上、粗利、純利益、収入
お金の出入りにも、種類があります。基本を押さえておきましょう。まずは「売上、粗利、純利益、収入」です。
売上と収入
売上は、商品やサービスの対価として入ってくるお金です。売上は、事業のお金です。それに対して収入は、個人の財布に入ってくるお金です。売上と収入を混同しないようにしましょう。
月の売上を月商、年の売上を年商と言います。年商10億円の企業、と言ったら、10億円の「売上」があるということです。
年商10億円でも、赤字の場合があります。赤字の場合は、売上に対して事業の支出が多すぎるということです。
よく売上と収入を混同している人がいます。月収100万円、というとき、売上なのか、収入なのか、よく分からないで言う人が多いです。
売上の場合は、「月商100万円」と言います。月収と言っていながら、月商の場合があります。その場合、月収は100万円より少なくなります。広告費がものすごくかかっていたら、月収20万円の可能性もあります。
冗談のようですが、実際、売上が1億上がっても、ほとんど経費、赤字ということがあります。「1億売上げた、月収1億円!」と言ってる人がいても、貧乏かもしれません。
プロダクトローンチというマーケティング手法が流行った時がありますが、その時も、売上は大きいのに、経費がそれ以上にかかって、宣伝してくれた人に報酬が払えない事例が続出したそうです。
粗利と純利益
粗利は、売上から原価を引いたものです。原価というのは、八百屋なら、野菜の仕入れに使ったお金のことです。コーチングの場合は、原価がほぼないので、売上はほとんど粗利と考えてよいです。
純利益は、粗利から、経費を引いた最終利益です。経費は、家賃や、交通費、人件費、ウェブ管理費などがあります。
粗利と純利益を区別しておかないと、粗利や売上を収入と勘違いして、赤字になることがあります。
今回は以上です。コーチに必要なマネーリテラシーは、次回の独立するコーチが持つべきマネーリテラシー【後編】に続きます。