コーチング

コーチングセッションの仕方【基本編】

コーチングセッションの仕方【基本編】

コーチになりたいけど、コーチングのセッションて、実際どうやるの?という疑問に答えます。コーチングの基本的な流れや、考え方がわかることで、実際にコーチングができるようになるでしょう。

私の場合は、技術面で、催眠とか、気功、などいろんなアプローチを使いますが、これらは道具であって、基本は同じです。

主に言葉を使ったコーチングの方法について解説していきますね。私はセッションでは、

・クライアントの頭の中を把握する
・ゴールを設定する
・臨場感とエフィカシーを上げる
・矛盾点を見つけて整理する
・正しいマインドに入れ替える

ということをしています。順番は前後するのですが、主なことはこの5点です。

クライアントの頭の中を把握する

コーチングセッションは、まず「聞く」ことから入ります。なので、コーチはそれほどしゃべる必要がありません。最初は、黙っていて、クライアントが話すのを待っていましょう。

もしくは、

「今日はどんなお話ですか?」とか
「どうですか?」

と、先に聞いて呼び水にしてもいいでしょう。そこからは、クライアントが話すことになります。

なぜ聞くのか、というと、クライアントの脳内地図を作るためです。料理を作ろうと思ったら、まず冷蔵庫に何があるか確認するでしょう。同じように、脳内がどうなっているのかがわからないと、コーチングができません。

ゴールは何なのか、何が問題なのか、悩みは、価値観、などを把握します。言葉だけではなく、態度や、感情などもよく観察しておきます。

聞くことで、クライアントも頭の中が整理されていき、コーチの側もクライアントの頭の中を把握することが出来ます。

聞くだけで悩みが解決することがよくあります。冷蔵庫の食材を確認したら、これは腐ってるから捨てようとか、これは使えるとか、自然とわかりますね。こんな感じで、ただ聞くだけでもクライアント自身が気づきます。

人によって、頭の中は違うので、よく聞いてみないとわかりません。ゴールがないのか、ゴールが弱いのか、マインドセットの問題か、などいろいろあります。

最初は悩み相談から入る場合が多い

コーチングセッションでも、最初は悩み相談から入る場合が多いです。その場合、悩みはちゃんと聞いてあげたほうがいいです。

というのも、悩みを聞かないと、心の扉が開かないことが多いからです。コーチが何か言うとしても、悩みを聞いてからにしましょう。

また、悩みの中に、その人の信念が現れているので、これもクライアントのことを把握するために大事なポイントです。

悩みを聞いてからのほうが、相手がこちらの話を受け取りやすくなります。扉が開かないうちにボールを投げても跳ね返ってしまいますが、開いていれば、すんなり入っていくのです。また、アドバイスも適切になります。

一番大事なのは、ゴール設定

コーチングの中で、不可欠なのが、ゴール設定です。ゴールは必ず把握しましょう。ゴールは、やりたいことであって、現状の外にある目標のことを言います。

なぜゴールが大事かというと、目的地だからです。どこに行くかもわからないのに、コーチングをすることはできません。

悩み相談であっても、その答えは、「どこに行きたいのか?何をしたいのか?」がわからないと見出せないのです。

ゴールがないと、ただ無難に現状を続けるとか、行き当たりばったりの反応になってしまいます。

例えば、家族関係で悩んでいる人がいたとします。

その時、「家族関係が大事なので、仲良くしたい」という人と、「仕事で成果を出すことに集中したい」という人では目指す方向が違い、取るべき行動も違います。

ゴール設定のことは知っている人もいますが、知らない人もいます。知っている人に対しては、「あなたのゴールはなんですか?」と聞きましょう。相手の方から言ってくることもあります。

知らない場合は、教えましょう。ほとんどの問題は、ゴール設定とエフィカシーにあります。

やりたくないことをしているとか、現状維持になっていて行き詰まっている、ゴールに対して確信が持てていない、自信がない、などです。

これらを解決したり、マインドセットをし直すことで、クライアントはゴールに向かって進歩していきます。

コーチは、クライアントの未来を見る

セッションの時に必ず必要なのは、コーチは、クライアントのゴールや、可能性を先に見るということです。

例えば、クライアントが、こういうゴールを目指したい、と思ったら、コーチの方は「できる」と思うということです。

そうすると、それが伝わって、クライアントもできる、という気持ちが高まります。できるという気持ちのことをエフィカシーと言います。

エフィカシーを高めることが、コーチの大事な役割です。

クライアントは、ゴールを設定した時点では、まだできると思っていないことがあります。そのため、コーチの方が先にできると思うのです。

そして、あなたにはできる、という前提でセッションを進めます。

逆に、コーチの方が「できない」と思ったらどうなるでしょうか。できないと思うと、できない前提でセッションが進むので、クライアントもできない気持ちになっていきます。

それは、言動とか、態度で現れてきてしまうので、わざわざそうしようとしなくても、エフィカシーを下げる原因になるのです。

これが、コーチングで非言語と言われる部分の根本です。非言語は、気功などの技術もありますが、マインドセットの方が大事なのです。

臨場感とエフィカシー

クライアントが変わっていくためには、ゴールの臨場感とエフィカシーが重要になります。エフィカシーは、先ほど言いました。臨場感とはなんでしょうか。

臨場感とは、ゴールがどれだけリアルに感じるか、ということです。臨場感が上がると、脳はゴールの方を現実だと思うようになり、ゴールの方を実現しようとします。

これは臨場感が上がるように繰り返し何度でも行います。臨場感が上がると、それによってエフィカシーも上がります。

臨場感が上がっていないと、現状の方が現実なので、現状を維持しようとするのです。

コーチになりたい人なら、自分がコーチなのが当たり前だと思っていたら、コーチにふさわしい行動になります。臨場感を上げるためには、「ゴール達成したあなたは何をしているのか」という未来の姿を想像してもらいます。

お金が欲しい、という人なら、お金が入ったら何をするのかを想像してもらいます。臨場感がないと、ワクワクしてきません。

また、想像しても何も感じないなら、ゴールが間違っている可能性もあります。

エフィカシーとか、臨場感というのは、上がったらわかります。というのも、行動が変わるからです。行動が変わっていないなら、どこかが引っかかっているということです。

行動が変わると、臨場感やエフィカシーもそれにつられて上がっていきます。プラスの循環に入るのです。

矛盾点を見つけて整理していく

クライアントのことや、ゴールなどを把握したら、そこから矛盾している点を見つけて整理していきます。これには抽象度という概念を応用していきます。

簡単に言うと、相反するものがあると、視点が高くなるということです。例えば、「ビジネスマンとして成功したい」「世界中を旅したい」という希望があったとしてます。

そうしたら、「ビジネスマンとして成功したら、世界中を旅する時間はありますか?」と聞いてみます。そうすると、相手は、「あれ?」と思うでしょう。

それでどうしたらいいのか、と考えることで、本当はどっちがやりたいのか、とか、両立する方法など相手は考えます。

このように整理していくと、抽象度が上がっていき、視野が広がったり、新しい気づきが生まれるのです。要らないものが除かれて、ゴールがよりはっきりしてきます。

これをするためにも、最初にしっかりと話を聞いておいて、頭の中を把握しておくことが大切です。

正しいマインドに入れ替える

相手のマインドが間違っている場合は、正しいマインドを教えて入れ替えていきましょう。

例えば、ゴール設定が間違っていたら、正しい考え方を教えて、もう一度ゴールを考えてもらいます。過去のことを悔やんでばかりなら、過去ではなく、今の選択が大事だということを教えていきます。

マインドを教えてるためには、得意のパターンとか、ストーリーを持っておくといいでしょう。

コーチングセッションは根気強く行う

以上がコーチングの基本の流れです。

セッションでは、まず聞くことからスタートして、脳内地図を把握します。そして、ゴール設定という目的地を把握します。

ゴール設定は一番大事なので、必ず聞いてください。できていない場合は、ゴール設定を教えます。ゴール設定ができたら、コーチ自身が確信することで、クライアントのエフィカシーを上げていきましょう。

また、ゴールの臨場感を上げることで、クライアントの脳をゴールの方に向けていくのです。

そして、矛盾点を整理していきながら、抽象度を上げていきます。また、間違ったマインドの使い方に関しては、修正します。

これらは一回で完結することは難しいので、繰り返しやります。

どの時点でクライアントが大きく変わるかは、人それぞれです。1回で変わることもあるし、ある時急に変わることもあります。

人の人生を変えるというのは、簡単なことではありません。コーチは、根気強くセッションを続けていきましょう。

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