コーチにはコーチングスキルよりマインドが重要です
コーチとして独立したい、稼げるようになりたい、と思っている人は多いですが、ほとんどの人は独立できません。無料とか、1万円以下とかでコーチングをやっている人も多いです。それはまずコーチとしてやっていくという覚悟や決意がないからです。
コーチとしての心構えは、自分はクライアントが人生を変えるサポートをするということです。コーチング談話をして終わりというわけではなく、自分のコーチングを受けたことで、人生を良くしてもらおう、という強い気持ちを持たないといけないのです。
そして、人生の中で優先順位を高めないといけません。コーチだという自覚を持つことが必要です。楽して儲けられたらいいな、という意識ではなく、クライアントの人生がかかっている、と認識することです。
コーチングは、質問で引き出すというイメージなので、意外だと思う人もいるかもしれません。しかし、クライアントは人生を良くしに来ているのです。良くなると思うからコーチにお金を払うのですから、コーチも良くなるようにするのは当たり前です。
独立できないコーチは、無料でコーチングをしたりします。練習のため、友達に無料で、というのは良いですが、普通に無料でやっていると、冷やかしや、遊びに来る人がほとんどになります。
無料で来る人は、有料にしたら受けなくなります。無料だから来ているだけなのです。5000円なら受けるかもしれませんが、100万円と言ったら、受ける人はいないでしょう。
お金を払ってでも人生を変えたい、という本気度の低い人に、いくらコーチングをしていても、コーチングもどきで終わってしまいます。
30万円以上でもお金を払って受けたいという人を、クライアントに取るのは怖いかもしれません。お金をもらっている分、責任も大きくなります。無料では、いい気分になって帰ってもらうだけでもいいですが、有料では何か具体的な変化をクライアントも求めています。
しかも、ただ、何十万円とか、何百万円とホームページに書いているだけではなくて、本気でその価格で成約して、それ以上の価値を返す、という気持ちでなくてはいけません。真剣になりましょう。
コーチングスキルはもう学ぶ必要はない
コーチの中には、スキルがまだまだ足りない、と言って、スキルばかり学んで、ビジネスをスタートしない人がいます。スキルが足りない、という気持ちで、スキルを学んでも、際限がないので、またスキルを学びたくなります。
コーチングスクールもたくさんあるし、スキルを売ることで商売している人もたくさんいます。だから、いくらでもスキルを仕入れに行くことができます。
ここには問題があります。まず、スキルをいくら学んでも独立できません。周りを見たらわかるはずです。スキルはたくさんあるのに、サラリーマンでずっといる人がいませんか?もちろん趣味できている人もたくさんいます。しかし、コーチはスキルを集めてスペックを高くしたつもりでも、独立できませんし、売れません。
なぜかというと、クライアントはスキルを買いに来るわけではないからです。クライアントは、人生を変えることを求めています。クライアントにとって、それがNLPでも、なんとか式でも、催眠術でもいいのです。
スキルや資格を並べていても、そういう人はたくさんいます。同じ資格を持っている人もたくさんいます。あなたより実績があって、コーチング団体で上位の人もいますね。その中で、コーチングを申し込むのは、その人なら「自分の」人生を変えてくれそう、と思うからです。
同じことをしていたら、実績や有名度が高い人に行く人が多いです。では、これからコーチになる、独立したいという人が何をしたらいいか、というと、対象を絞っていかないといけません。そうしないと、競争になります。
例えば、職場の人間関係で悩んでいる人に、人間関係を良くするコーチングをするというふうに絞っていきます。そうすると、これはまさに自分のことだ、と思う人がいます。より専門性が高いコーチだ、というふうに思ってもらえるでしょう。
整体でも、なんでも見ます、というのが普通ですが、肩こり専門ですとか、腰痛なら任せてください、という人の方が、専門性が高くて、自分の悩みをちゃんと解決してくれそうだと思いませんか?
特にウェブで集客をするときは、このように絞ることが重要です。ウェブには膨大なページがあります。整体なら、看板を出しておけば、来る人がいるかもしれませんが、ウェブでホームページを出しても、それだけではほとんど見られません。
このように、問題はスキルではなく、商品やマーケティングです。これができていないと、スキルをいくら上げても、見込み客はあなたのことに気づかないのです。本当にコーチングで独立したい、有料でクライアントを持ちたいと思うなら、考え方を改めましょう。消費者マインドではなく、事業者マインドで考えるのです。
スキルで不安を埋めることはできない
スキルを学んでも、コーチングやビジネスに対する不安を消すことはできません。スキルを学んだら、また次のスキル、資格、となってしまうのは、不安を埋めたいからです。しかし、コーチングスキルには際限がないので、まだ足りない、まだ足りない、と終わることはありません。
そういう人は、スキルをがむしゃらに身につけて、鎧を着たら安心すると思い込んでいるだけです。本当にこれが必要だ、と思っているから身につけているわけではありません。
独立したいなら、まず、この不安を埋めるためのスキル獲得をやめなければいけません。そうでなければ、お金が出て行くばかりになってしまいます。収入も安定しないのに、お金ばかりかかっていたら、生活ができません。
まだ足りない、と言ってスキルを学んでいる人は、本当に独立できないですよ。コーチになると言ってから、何年も独立しないで、いろんなセミナーとか、いろんな先生のところでスキルを学び続けている人は、私の知り合いにも何人かいます。
コーチング業界では、こういう人がほとんどなのです。これは、自己投資のつもりでも、投資になっていないのです。投資にはリターンが必要ですが、投資以上に売り上げが上がらないなら、消費になります。
スキル習得をやめない限り、赤字は続くのです。スキルを学びたいなら、コーチングで稼いだお金で行ってください。有料のクライアントを得てからの方が、自分に何が必要なのかがわかります。
スキル不足の不安からのスキル習得をやめるには、まず、自分が不安だからスキルを学び続けている、ということを自覚しましょう。ああ、また不安を埋めるために、コーチングスキルを探しているな、と思ってください。
この気持ちに正直にならないと、スキル・資格依存はやめられません。
模擬コーチングや、コーチ同士の練習会は本当のコーチングじゃない
模擬コーチングとか、コーチ同士の練習会で、スキルを上げると思っている人もいると思いますが、そういうことばかりしていても、本当のスキルは身につきません。受けるのは最初のうちだけです。
なぜかというと、模擬コーチングや練習会はリアルではないからです。リアルなコーチングは、有料で人生を変えにきた人にするコーチングです。はっきりいって、熱量や真剣さも全然違います。
模擬コーチングのクライアントになっている人は、そのためにお金を払った人でしょうか。模擬コーチングをしますので、一回10万円です、と言われてやっている人ならわかりますが、そうではないでしょう。それで本当の悩みなんか出てこないです。
練習会でもコーチ同士でお金を取り合っていません。無料でもいいと思いますよ。練習にはなります。でも、コーチとして独立したい、稼ぎたいという人は、有料のクライアントを相手にしないといけないのです。
あなたは、無料での練習経験がある人と、有料クライアントのコーチング実績がある人と、どちらに頼みたいでしょうか。有料の実績がある人に頼みたいと思うでしょう。それがリアルな感覚なのです。
練習会や模擬コーチングで指導しているのは、有料でクライアントがいるプロのコーチではないでしょうか。無料でやっている人に、習いたいと思う人はいません。プロのコーチの技術の方がリアルだと思っています。
プロのコーチになるなら、その人たちと立場は同じですよ。先生たちのすごいと思うところは認めて、自分には何ができるのか、誰の人生を良くできるのか、真剣に考えましょう。
コーチは自分がエビデンスになる
コーチは、スキルだけではなくて、その人自身がコーチングを体現している必要があります。これは、社会的地位とか、実績とかではありません。
コーチングをするなら、ゴール設定をして、自分の枠の外に出ましょう、ということをします。ならば、自分自身も自分の枠の外に向かって行っていなければ、嘘になります。
実はコーチにとって一番大事なのはこの部分です。ここはごまかしがきかないのです。いつまでも無料で、練習会に行って、と同じ枠内でやっていたら、そういう雰囲気が出てきてしまいます。
ここはコーチという職業の、特殊なところです。お医者さんなら、自分が不健康でも薬をあげたら治ります。しかし、コーチは自分で体現することがスキルよりも重要なので、コーチングの結果にも出てきてしまうのです。
クライアントや見込み客も、自分は枠の外に出るのに、コーチがいつまでも会社勤めで独立しないとか、「激変した」というばかりであんまり変わっていないとなったら、「あなたはどうなんですか」という気持ちになります。
自分が、現状の外に飛び出さないのに、飛び出す人の真剣さや悩みなんてわからないでしょう。独立したいと思っているなら、少なくとも決意していないといけません。できたらいいな、くらいではダメです。
コーチングの考え方で、Invent on the wayというものがあります。これはゴールを設定して、やり方はその都度発明するという考え方です。
ゴールは達成方法がわからないものなので、やり方をクリエイティブに生み出すというマインドが大事です。コーチがこれを体現するなら、スキルを完璧にしてから、とか考えていてはいけません。
もし、自分の知っている範囲で準備してできるなら、何をして達成できるかが明確になっていて、できると思っているはずです。実際は準備するばかりでほとんの人が独立しないし、稼げないのです。
その延長には、ゴールはありません。まず、ゴールを達成すると決めて、やり方は後から考えるマインドを実践してください。スキルや資格はいっぱいあるけど、現状の外に出ない人より、スキルも資格もないけど現状の外に向かっている人の方がコーチです。
コーチングスキルよりも、マインドを身につけ実践しよう
コーチとして独立するには、スキルを身につければいいのではありません。まず自分が、コーチとしてやっていくという決意を持って、有料のクライアントを成約する、と決めてください。そして、独立したいなら、まずその覚悟を決めましょう。
これが本当にマインドを正しく使うということです。エフィカシーを上げるとか、臨場感を上げるとか、そういうのは全てここが根本になっています。つまり、ゴール設定とコンフォートゾーンです。
練習会や、セミナーに行ったら臨場感やエフィカシーが上がるわけではありません。それはほんの最初のうちです。その証拠に、セミナーや練習会にいつも行っている人たちがどうなっているか、客観的に見てみてください。
自分の生活や人生、クライアントの生活や人生がかかっているとリアルに想像しましょう。自分が何十万円ものコーチングを成約している、と想像してください。そして、決意を持って、真剣にビジネスをすると覚悟しましょう。
自分自身が、Invent on the way を実践しましょう。コンフォートゾーンの外に出るのです。