最近テレビや雑誌などで動物占い、星座占い、○○の人は大殺界、など占いのコーナーがあるのが当たり前になりました。街には占い師がいて、怪しげなかっこうをして水晶を見ながら、あなたの運命を当てると言っています。自分の運命を知りたがっている人がたくさんいるようですね。運命って本当にあるんでしょうか?
もし運命があるとしても、占いではわかりません。まず星座占いや血液型占いなどは、たったの数通りのパターンしかありません。地球上にはたくさんの人がいるのに、何十億人という人の運命をたったの数通りで当てられるわけがないのです。
では占い師は運命を当てる能力を持っているのでしょうか?もし持っているとしたら、占い師などやって小さく儲けようと思わないはずです。なぜなら運命がわかる能力はいくらでも使い道があるからです。たとえば、ギャンブルや投資でどこにお金を入れたらいいのかがわかるはずなので、占い師はみんな大金持ちになっているでしょう。でもそんな占い師はいないですよね。占いで運命はわからないのです。
また、過去を振り返ったときに、私が今ここにいるのは運命だったんだな、と思うことがあるかもしれません。あなたの現在に至るまでの一つのストーリーが頭の中に見えて、その延長線上で「私はこんな運命を持っているから未来はきっとこうなるだろう」と考えてしまう人もいるでしょう。自分がいい運命だと思えればまだいいですが、悪い運命を持っていると考えたら暗い気持ちになってしまいます。
でもその過去にたどってきた運命は、実はあなたの脳が勝手に作り出したストーリーです。 運命は脳の作り話なのでまったく気にする必要はありません。あなたは記憶は正確だと思っていませんか?実は記憶はかなりいい加減です。
あなたも、同じ場所で同じ出来事を経験したはずの友人と、「あのときはこうだった」「いや違うよ、あのときは・・・・・・」など記憶が食い違ったことはありませんか?もし記憶が正確だったら、こんなことは起こらないはずです。
記憶は脳の中で一つのまとまった記憶としてあるわけではなく、バラバラのピースになっています。脳は何かを思い出すごとに、バラバラのピースを組みあわせて記憶を作るのです。そのとき正確に過去を再現できればいいのですが、脳は自分に都合がいいように記憶を組み合わせてしまいます。
よく裁判でも、加害者と被害者で「ちょっと触っただけだ」「いや、強く叩かれた」なんてそれぞれに都合のいいように主張していることがあります。同じことを経験しても、人によって全然違う記憶になってしまうのです。
過去にたどってきた運命も、その延長線上の運命も、脳が勝手に作ったストーリーでしかないのです。記憶の組み合わせですから、運命は何通りも作ることができます。そんないい加減なものですから、運命で悩む必要はありません。
運命はいくらでも作れるんだから、どうせならとっても都合のいい運命を作ってしまいましょう。自分は今まで本当にいい運命だった、未来も薔薇色の運命だと思えばいいのです。思いっきり未来の薔薇色の運命を想像してみてください。
そのときに、こんなことが起きたらいいな、と客観的に眺めるのではなく、今まさに自分に起きていることのようにイメージするのがコツです。あなたは今どんな場所に、誰といるでしょうか?どんな服を着て、何をしているでしょうか?なるべく詳細に想像して見ましょう。そうすることで脳は薔薇色の運命を信じて、勝手に薔薇色の運命を実現しようとしてくれます。
運命は誰かに占ってもらったり、誰かが決めたりするものではありません。自分で決めるものなんです。せっかくだから楽しい嬉しい運命を作ってみてくださいね。
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