コラム

幻覚体験には意味がない

幻覚体験を追いかけないようにしましょう。

幻覚体験を求めている方がたまにいらっしゃいます。幻覚体験とは「光をみた」「守護霊をみた」など、幻覚・神秘体験なことです。そういった体験を求めて、いろんな人のところに行ったり、セミナーなどをぐるぐる回っているような人がいます。たしかに人間は、そうした超自然的な力に憧れを持つ傾向をもっているのかもしれません。でも、幻覚体験を求めても、いいことはありません。

スピリチュアル系の人は、幻覚体験を得られたことで

「自分の魂のステージが次のランクに上がった」
「幻覚体験は特別な意味がある」
「自分は選ばれた人間であり、特別で偉い」

と確信してしまうようです。
そして、そのような経験をしていない人を見下したり、見えていることを誇りに思っていたりします。これらの人は、教祖にはなりやすいですが特別選ばれた人と言うわけではありません。

教祖などの幻覚・神秘体験している人の影響を受けて、「神秘体験したい」「幻覚をみたい」と願う人もいるのでしょう。また、スピリチュアルな幻覚や神秘体験をすることで、すっかり信者になってしまう人もいます。某スピリチュアルカウンセラーや、有名なカルト教団の信者も幻覚体験に強い影響を受けています。

しかし、神秘・幻覚体験は何の意味もない経験です。神秘体験のようなものは、脳が勝手に作った幻覚・幻想です。何らかのアクシデントでそうした意識状態に陥ることによって、幻覚・幻想は見ることがあります。

瞑想をやっている人も、修行中に特別なものを見てしまうことがあります。でも仏教なら、「それは幻想です」という理論と瞑想がセットになっています。宗派によりますが、なるべく幻覚を見ないように瞑想を指導しているところも多いのです。

分かりやすい例ですと、夢も幻覚体験と同じものです。夢は通常起こりえないことを、リアルに体験しますけど、なにか特別な意味を見出そうとする人はあまりいませんよね。古い心理学では意味づけが行われていましたし、中には、「夢は神からの啓示である。」「霊からのメッセージだ」と思う人もいますが、夢は脳のレム睡眠時の働きにすぎないのです。

同様に、幻覚体験も脳の働きによるものです。趣味としてそれらの体験をしたいと思うのはいいですが、それによって自分のゴールが達成する訳ではありません。

そもそも、私たちは常に幻覚を見ているのです。「え、私は幻覚なんか見てないですよ。いたって普通です。」という人も幻覚を見ています。幻覚とは、脳が勝手に作り出した世界のことですから、その意味では私たちが見ている世界も全てが幻覚なのです。超常的な幻覚と、私たちが日常見ている幻覚との間には本質的な違いはありません。

まああまり超常体験を求めている人もいないとは思いますが笑。ただ自己啓発をやっていると、スピリチュアル方面に進んでいってしまう人も多いようなので、気をつけてください。もちろんスピリチュアルや幻覚体験自体するなとは言いませんが、あくまで脳が作り出した幻覚だということを理解したうえで楽しみましょう。

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