コラム

ステータスにこだわる人の末路

世の中にはとかくステータスにこだわる人がいます。そうした人は、自分がどんなことができるのかや、どんな役割を果たすのかと言うより、肩書きが欲しいと考えるのです。今回はそんなステータス志向のデメリットについて解説します。

お金をかけて偽物をつかむ

ステータスを、実力が伴わないのに得ようとすると、お金がかかってしまいます。例えば、本来功績があった人に与えられるような勲章や地位を、功績がないのに得ようとすると、お金を払うことになるのです。もっとも、お金を払って売ってもらえるものに限られます。

国の機関や、王族が出しているような、誰もが立派だと認めるような功績があった人に送られる賞などは、買うことができません。そのため、もどきを買って、それっぽく見せることになります。それっぽい名前で、わざと人に勘違いさせるために作られた賞などがあります。また、お金を払うと博士号がもらえるような大学もあります。

そうしたものは、みんなが認めている権威の力を利用して、騙しているだけです。嘘でもみんなが認めている名誉みたいなものを欲しい人がいるので、そこでお金儲けをしている人がいます。決して安くないお金を払って、そうした偽物をつかむことになるのです。

具体的な名前は出しませんが、例えばノーベル賞が、ノーデル賞になってような、おかしなものがあります。賞を独自に作ることはいいと思いますが、明らかに勘違いさせるために作るのは騙すためです。こうしたものを得たところで、本物を得られなかった虚しさが無意識にくすぶるだけでしょう。

また、王族が出していても、みんなが価値を認めない、ビジネス用の「騎士」の称号などを販売する業者があるようなので、気をつけた方がいいです。お金で買った称号を見せびらかしても、ほとんどの人には「騙された人」「いくら払ったの?」としか認識してもらえないでしょう。持っているだけ恥ずかしいです。

すごい努力をして、自分を見失う

ステータスにこだわると、自分は本当は何をしたいのか、何が欲しいのか、どんな役割を果たしたいのか、といったことに目が向かなくなります。虚飾によって自分の目をくらませることになるのです。よく言われるのは、医者になる人の中には、テストが得意だからという理由で、一番難しいテストが医者だからなる人がいるという話です。

医者に限らず、ステータスが高いから、という理由でものすごい苦労をすることになります。もちろん、最初の動機が不純でも、そこからその役割の意義に気づく人もいます。しかし、気づかない人もいるのです。本当は、そんなに勉強しなくても、自分のことを見つめれば、早々にやりたいことに気づいたかもしれません。

ステータスを追いかけてもいいですが、それは人生の一部でしかありません。あったら喜びになるかもしれませんが、自分のことを見失っていたら、いくら名誉があったところで、幸せを得ることはできないのです。

ステータスがなくなると、自信喪失する

ステータスにこだわっている人は、自分がステータスに従うことになってしまいます。そして、ステータスが立派だから、自分が立派であると思えるだけなので、ステータスが消えると自信を失うことになるのです。例えば、ステータスの一つに年収があります。年収が高いと立派で、低いと価値も低いと感じてしまえば、年収が下がったら自分の価値も下がったように思ってしまうでしょう。

そうすると、そのステータスにしがみつくようになり、エネルギーがそちらに奪われてしまいます。本当は、地位が低くても、年収が低くても、自信を持てるようにしたらいいのですが、ステータスを維持することの方に執着してしまうのです。

にもかかわらず、仮に作られた階級にこだわって、ステータスにしがみつけば、それがなくなることを恐れるようになるでしょう。

ステータスではなく自分を見よう

ステータスにこだわりすぎてしまうと、お金を払って偽物を買うはめになったり、とんでもない労力がかかったり、ステータスに依存して、失う恐怖を味わうようになってしまいます。ステータスは人生の一部でしかなく、それで人の価値が決まるわけではないので、虚しい結果に終わることでしょう。

それよりも、自分のことをよく見て、やりたいことや、欲しいもの、役割、人生の目標や夢などに注目しましょう。そちらの方に、お金も時間も労力も使った方が、もっと幸せに生きることができます。その過程で名誉を得られたら、それはプラスαの喜びになるでしょうが、自分を見失っていたら、何の意味もありません。

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