コーチング

コーチングに資格は必要?現役コーチが教えるメリット・デメリット

コーチングをしたい、もしくはプロのコーチになりたいと思ったとき、コーチングの資格を取ることは必要でしょうか?また資格は何の役に立つのでしょうか?コーチング資格を持っていて、現役のプロコーチである私が解説します。

コーチングの資格を取ったら稼げるの?

まず「コーチング資格を取ったらぶっちゃけ稼げるの?」という疑問にお答えしましょう。これは「人によるし、環境や状況による」というのが正直なところです。

コーチング団体の状況

これはどれだけそのコーチング団体のコーチであることが注目されるのかという問題です。つまり、あるコーチング団体が発行するコーチ資格を取った人に対して、どれだけニーズがあるのかということです。

ほとんど誰にも知られていない団体であれば、資格を取っただけでクライアントがつくわけではないかもしれません。逆にすごく盛り上がっているのに、コーチング資格保持者がレアであれば、比較的簡単に集客をすることができるでしょう。

私がコーチになったばかりのとき、まさに盛り上がっているのにレアという状況でした。受けたい人が多いのにコーチが少ないとなると、さほどの苦労もなくクライアントを獲得できるでしょう。もちろんブームがずっと続くわけではありません。

資格保持者はどんどん増えていくので、すぐに価値は下がります。例外は資格を取るのが年に1人しかいないなど難しい場合です。年に10人20人以上増えるようだとほとんどお金を払えば取れる感じなので簡単に飽和します。

またその団体が沈んでいった場合、割を食って売上が下がることもありえます。

コーチング団体のサポート体制や集客

コーチング資格を出す団体が、どれだけクライアントを紹介してくれるか、また集客をサポートしてくれるかも影響します。

団体によって、技術と知識を与えて資格も発行するけどサポートはなし、ホームページにコーチ検索を掲載する、団体とコーチの距離が近くてかなり手厚くサポートしてくれる、稼ぎ方まで教えてくれるなどいろいろとあります。

ビジネスまで面倒を見てくれるのなら、コーチとして稼げる確率は上がるでしょう。

しかし稼げるまで面倒を見てくれるスクールはほぼありません。そのため稼げるかどうかは自己責任です。

個人の資質

個人の稼ぐ能力によって稼げるかどうかが決まります。

実際コーチングのスキルや能力が高い人よりも、ビジネスが上手な人が稼いでいます。

ほとんどのコーチは、コーチングスキルの高さや能力の高さで稼げると考えていますが、それで稼げることはありません。なぜならそれらはお客様が求めるものではないからです。

お客様が求めるのは自分の理想の未来が実現するかどうかです。そのためスキルが高いとか能力が高いかどうかには興味がないのです。

スキルが低くて能力が低くてもいいので、理想の未来が実現すると確信させてくれるコーチのところにしかお客様は行きません。

だからスキルばかり勉強していて稼げないコーチは山ほどいます。

以上のように、コーチング資格を取って稼げるかどうかは、環境や資質によって大きく左右されます。一番大きな部分はビジネスがどれだけできるかです。

コーチング資格のメリット

ここからコーチング資格のメリットとデメリットを見ていきましょう。

資格があることで信頼される

まずコーチング資格があることで、人からある程度信頼されます。資格があるとある一定の教育を受けた人だと判断されるからです。

また資格を持っているというだけで需要があったり、高い信頼を得たりできることがあります。例えば、その資格を高く評価している人に会ったら、資格を持っているだけでちゃんとした人だと認識されるでしょう。

ただし、現時点で日本ではコーチングという言葉自体が知られていないので、コーチングに興味がない人に対してはあまりこのメリットはありません。「コーチングってなんですか?」と聞かれることもよくありますよ。

もちろんコーチングを受けたい人や興味がある人に対しては有効です。また、「資格を持ってその職業をしている」ことに関しては信頼してもらえる可能性があります。

しかし、コーチング資格があっても今のところ、医師や弁護士、公認心理師のような広い社会的信用が得られるわけではありません。

また資格を持っているからと言ってコーチングを申し込まれることはほぼありません。

技術や知識などを効率的に勉強できる

コーチング資格を出している団体は、ある程度体系だった技術や知識などを教えています。そのため、資格を取ることで自分で体系立てる時間や手間、費用などを短縮することができます。

特に、直接習わないと再現が難しい技術に関しては、こうした教育を利用するメリットが大きいでしょう。本で読んで勉強することもできますが、細かいところのやり方、雰囲気だとか、声の出し方などは本ではわかりません。

実はこういう細かいところが重要なこともあるので、習うことにはメリットがあります。また、心を扱うので危険なこともありますし、倫理的な問題もあります。

失敗やネガティブ要素に対処するためには、体系立ったものを学ぶことが有効です。ただしちゃんと教えてくれないところもあるので注意してください。

コミュニティに所属できる

コーチング団体の養成講座に行けば、同じ志を持った仲間を作ることができます。こうした横のつながりがあることによって、お互いに情報交換したり、技術を高めあったりすることが可能です。

また、団体の先輩や後輩、先生など様々な人とつながりを持つことができます。それはきっとコーチとして活動していく上で役に立つでしょう。

もちろんプロコーチになりたいなら、稼げない仲間で集まっていても意味がありません。稼げている人とつながることが重要です。

コミュニティーの中で友達を作るだけではコーチとして成功できるわけではありませんが、友達が欲しい人にはいいですね。

またはサポートがあったり研修、トレーニングを受けられる団体があります。そうした機会を得るために資格を取るのもいいです。

何かトラブルがあったときに相談できる人がいる方が安定して活動することができます。バックアップしてくれる団体なら、その点のメリットは大きいです。

コーチング資格のデメリット

資格発行団体の状況に影響を受ける

資格を取ることでアドバンテージを得ることもできますが、逆にそれがマイナスに働くことも考えられます。所属するコーチング団体の中で不祥事や、不正などがあれば、自分の信用も落ちかねません。

また、スキャンダルや団体の解散、休止、システムの不備、イメージ悪化などは十分に考えられます。これらのいくつかは私があるコーチング団体で実際に経験したものです。

こうなると、資格を持っていると公表することがマイナスになってしまう可能性が出てきます。特に歴史の浅い小さな団体は、組織の様子や、代表者の人格などもよく見ておいたほうがいいでしょう。小さい、新しいから悪いというわけではありませんが、歴史が長く規模があることは組織が安定していることの一つの判断基準になります。

コミュニティーの政治に巻き込まれる

コーチング団体も人間の集団なので、そこに派閥ができたり政治があったりします。団体の中ではトップに近い方がメリットが大きくなるので、席次争いもあるのです。

利権もあるので、誰がどんなビジネスをするのか、代表に気に入られているかなどが重要になってきます。悪口や噂が飛び交ったり、いじめや仲間外れ、利権争いが起こる可能性もあります。これは外部からはなかなかわからないことです。

すべての団体でこうした分かりやすい政治活動があるかはわかりません。しかしコーチングの分野は人の心を扱うものなので、場合によってはカルト的になることも考えられます。心理系に興味を持つ人は何かにはまりやすい人、精神的に不安定な人も多いからです。

実際にそうした団体はありますので、気をつけたほうがいいでしょう。

ランニングコストがかかる場合がある

コーチング資格には、年会費、更新料や定期研修などの維持費がかかることがあります。そのため赤字になることもあります。維持費が高額な団体ならなおさらです。

資格の維持費が高いからといって大きく稼げる訳でもありません。これは自己責任なので利益が出せるように努力するしかありません。

縛りがあり活動が制限される可能性

コーチングの団体には、これはしてはいけない、これはしていいというルールがあります。その団体の考え方に合わない手法を使うのがNGだったり、価格設定にも口を出されることがあります。

そのため、団体に依存していると、自由な働き方をしようと思ったのに、窮屈だと感じる可能性があります。また明確なルールがなくても暗黙のルールによって不利益を被ることもありえます。

団体によって自由度は様々ですが、事前に確認しておいたほうがいいでしょう。自分が望むライフスタイルに合わない場合は、脱退することも考えましょう。

手段と目的が入れ替わる

資格やコミュニティは、コーチとしての能力を上げるため、ビジネスをするためなどが本来の目的です。

しかし、資格を取ることやコミュニティにいることが目的化する人がいます。コミュニティの中にいると、コミュニティの中でいかに上に行くか、認められるかなど内輪のことに目が行きがちです。

先ほども政治の話をしましたが、だんだん外の世界が見えなくなって、コミュニティの内部の論理で動くようになってきます。それはそれで楽しいとは思いますが、コーチングを提供するという本来の目的を忘れないように気をつけましょう。

資格は取るべきなのか、取らなくていいのか

以上コーチング資格を取ることについて解説してきました。コーチング資格を取った方がいいかどうかは、人によるところが大きいです。

コーチング自体は、資格がなくてもできるので、独学で勉強して周りの人にセッションをしてもいいでしょう。

ただコーチングスクールに入っておくと、コーチングの仲間ができるので、コーチングセッションをする相手を簡単に見つけることもできます。

コーチとして稼ぐことを考えると、ぶっちゃけどっちでも良いです。

本気稼ぎたいなら、コーチングもビジネスも両方教えてくれる稼げているコーチにお金を払って直接個別で教えてもらいましょう。それが一番確実で有効な方法です。

目標への努力が報われないのは無意識が原因前のページ

コーチングを学ぶ手順〜初心者からプロまで〜コーチ歴6年が教える次のページ

関連記事

  1. コーチング

    コーチングとティーチングを分けて考えない

    コーチングとティーチングを分けて考えないよく、コーチングとティ…

  2. コーチング

    「忙しいサラリーマン」のための、「コンフォートゾーンのずらし方」

    日本のサラリーマンはとっても忙しそうです。そしてみんな時間がない!…

  3. コーチング

    アファメーションが入らない原因と効果を出す方法

    アファメーションが入らない原因アファメーションや、セルフトーク…

  4. コーチング

    have-toをwant-toに変換する2つのコーチング法

    やりたくないことをやっていると、そこから逃げることに脳を使ってしまい、…

  5. コーチング

    ゴールを「最短距離で達成する」ための「感情コントロール法」

    嫌な感情やネガティブな感情をコントロールする方法をお教えします。…

  6. コーチング

    「現地に行く」とゴールの臨場感が一気に上がる

    やりたいことがあるなら、「現地に行く」と、臨場感がガーンと上がり、大量…

稼げるコーチ養成講座メルマガ登録

Amazon著者ページ(電子書籍一覧)

全記事一覧

有料記事一覧

  1. 脳科学

    最近、日本が注目されている?
  2. ビジネスマインド

    成功する情報収集の仕方
  3. ビジネスマインド

    稼げない人ほど人を頼れない
  4. ビジネスマインド

    自分を責めても成功しない
  5. コーチング

    ゴール達成のために気にするべき「視線」とは
PAGE TOP