引き寄せの法則の本当の意味
あなたは、引き寄せの法則という言葉を知っていますか?これはスピリチュアルなどでよく言われています。願望を持つと、必要なものが引き寄せられてくる、という話です。
よく知られた話ですが、本当の意味は理解されていません。
引き寄せは、認知科学でも説明することができます。赤いものを探してください、と言ったら、赤いものが急に見えるようになります。脳が、フィルターを変えたので、まるで引き寄せられたかのように、目の前に出てくるのです。
この時、青いものはいくつありましたか、と聞いたら、答えられません。脳は赤いものを探していたので、青いものはスルーされているからです。
これは脳の大切な機能です。すべての情報を処理しているとパンクしてしまうので、必要なものだけに絞っているのです。
あなたのゴール設定は何でしょうか。ゴールを設定することで、脳が必要な情報を集めるようになります。それがスピリチュアルとか、認知科学で説明されている、ということです。
ゴール設定をすることで必要なものが目の前に現れてきます。
ただ、この引き寄せの法則は、ほとんど勘違いされているのです。引き寄せの法則の本当の意味とは、何でしょうか?
間違った引き寄せの法則
ほとんどの人が言っている、引き寄せの法則は、間違っています。というのも、何かが起きた時に、「引き寄せた」と言っているからです。
そして、さらに悪いと、いいことが起こった時に、「引き寄せた」と言って喜んでいます。もちろん、良いことも引き寄せるのですが、それは「ラッキー」なだけです。
では、本当の引き寄せは、どうかというと、「常に引き寄せが起こっている」のです。良いことも悪いことも、引き寄せだということになります。
ゴール設定をすると、脳は、「ゴールに必要なこと」を認識するようになります。「必要なこと」であって、それが良いとか悪いとか、お金が儲かるとか、そういう次元ではないのです。
必要なことの中には、嫌なこと、不愉快なこと、面倒なことも起こります。お金が儲からないどころか、借金をすることもあるかもしれません。
つまり、目の前にあることは、ゴールに必要だから、現れているのです。例えば、ビジネスを成功させたいのに、損をしたとします。この時、引き寄せができなかったのではなく、損することが必要だということです。
ビジネスをしていれば、損することはあります。セミナーを開いても、お客さんが来ない、ということもあります。その時、正しい引き寄せの法則で考えれば、改善するチャンスだと捉えることができます。
間違った引き寄せだと、お客さんが来たら「ラッキー」、来なかったら「がっかり」という感じで、進歩しません。
また、嫌なことがあった時に、避けて通ろうとしてしまいます。しかしそれは、ゴールに近づくためのチャンスなのです。放っておくと、何回も同じことを繰り返してしまいます。
本当は、「ここをクリアすると、次のステップにいける」と教えてもらっているのです。必要でなければ、脳はキャッチしません。
面倒なことや、嫌なだなと思うことは、あなたが普段しないことです。ゴールは自分の枠の外にあるので、同じことを延長していても達成することはありません。
ついていない、と思った時は、むしろ現状を超えるチャンスが来ているということです。
ものごとの裏側を見る
嫌なことがあったり、嫌いな人に出会ったりする、というのが本当の引き寄せの法則なのです。というのも、これらは、あなたのスコトーマ(心理的盲点)を外してくれるからです。
嫌いな人や、不愉快な人が現れたとき、イライラするかもしれません。それは、自分が正しい、と思っているからです。
確かにあなたは正しいのです。しかし、正しさは一つではありません。だから、相手も正しいのです。
私は、ベジタリアンですが、肉を目の前で食べる人がいても、怒ったりはしません。というのも、肉を食べることは悪いことではないからです。
肉を食べるのが悪いことなら、肉食動物はすべて悪いことになります。もちろん、私は、なるべく肉を食べない方がいいと思っていますが、肉を食べる人の気持ちや、意見も大事です。
ヘーゲルという哲学者が考えた、「弁証法」というものがあります。弁証法は、反対のもの同士を統合すると、次元が上がる、という考え方です。
次元が上がることを「止揚」と言います。
ベジタリアンでも、肉を食べる人の考えを知っていた方が、止揚が起こって、次元が上がるのです。だから、私は、怒ったりしないで、知ろうとしています。
原発反対、と盛んに言っている人でも、原発の仕組みや、核分裂のことを分かっている人はあまりいないようです。もちろん、賛成側も、反対派の意見を聞かない人が多いと思います。
しかし、次のステージに進むためには、反対側のことを知って、止揚した方がいいのです。それは、どちらも取り入れて、平均にする、ということではありません。
ただ原発の恐怖で感情的になっている人と、科学も踏まえた上で反対している人では、説得力が全然違いますよね。
ビジネスで言えば、あなたは自分の商品が、正しい、良いものだ、と思ってセールスをします。しかし、それはいらない、と断る人もいます。つまり、あなたとは違う価値観を持っているということです。
この時、いらない人は、なぜいらないのかをわからないと、売れるようにはなりません。ここで、自分のプライドを守るために、「これは正しい」ということに固執していると、状況は変わりません。
許せないことがチャンスになる
あなたは、許せない人や、嫌いな人がいるでしょうか。そういう人がいるということは、良いチャンスです。2つの理由があります。
まずあなたが、自分自身の価値観を知ることができます。許せないことは、あなたの価値観に合わないことですから、自分自身のことがわかるということです。
そして2つ目は、あなたと違う価値観があることに気づけるからです。
あなたと違う価値観であっても、それを正しいと思っていたり、その人のことを尊敬したり、好きと思っている人がいます。違う価値観で回っている世界がある、ということです。
貧乏な人は、お金持ちからもっと税金を取れ、と思うでしょう。あんなに良い暮らしをして許せない、と思うのです。それは、労働で苦労していたりするからです。
しかし、お金持ちからしたら、勉強もしないで、リスクも取らずに、お金ばかり要求してくる人たちに見えます。税金も大して払わないのに、何を言っているんだ、と思うのです。
こうして2つの価値観を知ることができます。このように表裏を見れるようになれば、自分の考えが新しいステージに進むことができます。
本当の引き寄せの法則というのは、このように、良いこと、悪いことを分けることができません。むしろ、ついてない、と思うことの方に、本当の引き寄せがあるのです。
このことを理解することで、あなたはゴールに近づくことができます。ビジネスもうまくいくのです。